〈清水健さんの子育て日記〉22・結婚記念日、ママの好きなガーベラを息子は選んだ

(2020年5月29日付 東京新聞朝刊)

清水健さんの子育て日記

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息子が選んだママへのプレゼント

幼稚園再開 子ども目線の生活リズムを第一に

 「空の旅に行ってらっしゃい」。タンポポの綿毛に息を吹きかけて、そう笑顔で手を振る息子。「どこに行くんだろうね」って聞いたら、「きれいに咲くところまで元気に飛ぶんだよ」って。フワフワと、風に吹かれる綿毛に話しかけながら、手を振っていつまでも見届ける。その純粋な気持ちを大事にしてあげたい。


〈前回はこちら〉21・我慢の多い日々、もっと相手をしてあげたいけれど…


 分散登園だったりして、まだまだクラスのお友だちといつも通りに、とはいかないけど、幼稚園もいよいよ再開です。長いお休みではあったけれど、我慢していることも多かっただろうし、元通りの生活に戻れるか不安も感じていると思う。夏休みも短くなります。子どもたちにとって、今回は休みのようで、休みではなかったと思う。そのことをわかってあげたいなと思います。ばあちゃんにも多くの負担をかけてしまったけれど、改めて、子ども目線で生活リズムを第一に考えてあげたい。

手をつないで走り転倒…泣きながらも僕を心配

 「走ろうか!」「うん!」。息子の手を握って、よーいどん。僕の足がもつれたのか、息子の足がからまったのかは定かでないけれど、ふたりで派手に転んでしまった。そばで泣き声が聞こえて、僕は急いで息子を抱きかかえる。頭にたんこぶ、顔にはすり傷。でも、よかった、血は出ていない。「かっこよかったな!」「はやかったな!」。痛さから気をそらそうとなだめるのに必死です。

 なんにでも慎重な息子は今まで大きなけがをしたことがなく、転ぶこともほとんどない。だから、びっくりしたよね。今回は手をつないで走ったパパが悪かった。たんこぶとすり傷で済んだ息子に対し、僕は、手の甲と、肩と膝から血が。息子のけがに気を取られていたけれど、かなりのいきおいで転んだものです。息子が怖がるから、僕の傷は見せないように隠したけれど、僕のいないところで、ばあちゃんに「パパ、大丈夫かな」って、聞いていたみたいです。

3人で祝えない記念日 でも隣には息子の笑顔

 5月はママとパパの結婚記念日。初めての記念日はママの病室で迎えた。病室に花束を飾って、2人で「初めての結婚記念日が病室。こんなことあるんだね」と笑ったな。今年の記念日に息子が選んだのは、ママの好きなガーベラ。夫婦でお祝いできたのは1回だけだし、親子3人では一緒にお祝いできなかったけど、今、隣には、優しくて、日々たくましくなる息子の笑顔があります。(フリーアナウンサー)

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  • 匿名 says:

    はじめまして。関西に住んでいる私はtenで活躍されていた頃の清水さんをよく覚えています。ある時、奥様の病気を知り、ある時奥様との別れを知り。。。
    テレビの世界の方なので『最近見かけないな。。』と思い出す事も無いまま、私は今、滋賀県の乳腺クリニックで6月2日に左胸全摘手術を受け、たまたま待合室に置いてあった一冊の本『112日間のママ』を今読み終わったばかりです。

    私にも娘と主人が居ます。私は体の痛みより心の痛みを、思うがままに、発病から今の今まで病人の我儘をあからさまに出して過ごしています。
    清水さんの本を目を止めて読み終わった今、言えない気持ちです。
    命はいつか尽きるものですが、手術を終えた今は、長く細い時間よりも太く濃い時間を過ごたいと思って居ます。

    ますますのご活躍を、ここよりお祈りしております。また関西のテレビで元気な清水さんと出逢える事を楽しみにしております。

      
  • 匿名 says:

    清水健さんシングルファーザーでがんばっておられます。
    私の妹も子宮横紋筋肉腫と言う病気で甥っ子が4歳になったばっかりの時に発症から3ヶ月で亡くなりました。シングルファーザー大変かもしれないけど、思春期に再婚され新しい奥さんと馴染めないで親元を離れて全寮制の高校を選んだ彼の実母への想い・愛情溢れる姿を見て、彼自身が選んだ人生、有意義な高校生活を送ってくれるといいなと思います。

      
  • 匿名 says:

    清水健さんの子育て日記読んでいるうちにとても感動しました。私は清水さんの大ファンです。シングルファーザーでとても頑張っていると思います✨息子さんを大切にしている姿に感動しています。これからも応援してます✨

      

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