「体罰は法律で禁止しよう」専門家がネット署名開始 虐待死なくすため、”しつけ”でも容認できない!

 父親から暴力を受けていた千葉県野田市の小学4年、栗原心愛(みあ)さんが亡くなった事件。父親が「しつけだった」と話していることを受け、子どもへの体罰や暴力を法で禁止するよう求める機運が高まっています。虐待防止の専門家らは今月3日から署名サイト「change.org」で法整備を求める署名を開始。8日現在、1万7000人以上の賛同が集まっています。今月中旬をめどに集計し、内閣府や厚生労働省、文部科学省などの関係省庁や国会議員に提出する予定です。

野田市が公表した、心愛さんが書いたいじめに関するアンケート。余白には担任の書き込みがあった

体罰容認がエスカレートし、命を奪う

 昨年、東京都目黒区で5歳の船戸結愛ちゃんが父親からの虐待を受け亡くなった事件でも、逮捕された父親は「しつけのためだった」と供述しています。署名の発起人の1人で、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事の高祖常子(こうそ・ときこ)さんは「しつけのためという理由で、体罰が容認されているからこそ、エスカレートし、子どもの命を奪ってしまうケースが後を絶たない」と指摘。「『しつけのつもりだった』と、親が体罰を行い、子どもが虐待死するような状況をなくしたい」と話しています。


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 体罰を禁じる法律は、現在54カ国にあり、さらに50カ国以上が体罰禁止に向けた法改正の準備を進めています。国連子どもの権利委員会も今月7日、日本政府に対策の強化を求めました。

54カ国で法制化 社会の意識が変わる

 日本では依然、体罰を容認する親も多く、家庭でのしつけや教育に関して法律で規定することへの反発もあります。また、「親がすぐに逮捕されるのでは」との懸念も聞かれます。しかし、高祖さんは「法律の目的は親への啓発や意識改革だけではありません。法ができることで社会の意識が変わり、育児に困難を抱える親への支援を手厚くする基盤もできるのです。実際の体罰も減ることが諸外国の例でも明らかです」と説明しています。

 署名賛同者からは「自分も子どもに手を上げていたが、法整備の必要性が分かった」というコメントも届いています。高祖さんは「子どもの虐待死をなくすにはどうしたらいいか、署名を通じて考えてもらえたら」と呼びかけています。

 ネット署名はこちら→「虐待死をなくしたい!子どもへの体罰・暴力の法的禁止を求めます!」

 【2019年2月25日 追記】2月22日に約2万1000筆を自民党「虐待等に関する特命委員会」、厚生労働省、公明党「児童虐待防止・社会的養護検討PT」「厚生労働部会」「文部科学部会」に提出しました。また、2月12日には約1万6000筆を自民党「児童の養護と未来を考える議員連盟」、超党派議員による「児童虐待から子どもを守る議員の会」にも出しています。

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コメント

  • 僕はまだ子供ですが、父親から暴力、脅しなどを受けてます。この運動はとてもいいと思います! いつか虐待や体罰が日本から消えることを願っています。
     
  • 子供の人権が守られてない受け皿として、児童相談所が解決に結びつかない。身体的なものだけではなく、心理的虐め、家庭内だとごまかされて、死ぬほどではないと対応鈍い、後回し。速やかな対応が必要。子供を助ける