ストップ 子ども虐待〈高野優 思春期コロシアム〉あの子も同じだったのかな
(2019年2月15日付 東京新聞朝刊)
大切な居場所
高校生になって寮生活が始まる日、荷ほどきをしていたら、ほっとして涙がこぼれた。楽器とレコードとノイズがひどいオーディオだけの殺風景な部屋だけど、わたしにとっては、やっと見つけた大切な居場所。
親だから、子どもになにをしてもいいわけではない。親だからこそ、子どもとの関係を丁寧に紡いでいくべきだと思う。闇雲(やみくも)に怒鳴られていい子どもも、殴られていい子どももいない。
わたしたちがなにげなく瞬(まばた)きをしているこの瞬間も、どこかで小さな子どもが泣いている。その声に耳を傾けられる大人でいたい。たったひとりでも、本気で救おうとしたら救える命があるはずだから。
たかの・ゆう
漫画家。真面目な(?)大学生、保育士を目指す短大生、サッカー漬け高校生の3姉妹の母
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