産後うつの絶望の中、彼女が支援につないでくれた〈南家真紀子 MIRACLE TWINS〉

 公的支援サービスからこぼれ落ち、絶望の濁流に流されていく私の手を彼女はつかんでくれました。そして絶対に岸に引っ張り上げるんだ、という気持ちでとっさに行動してくれたのだと思います。ただただ感謝しかありません。「困ってるんですね。大変ですね」という傾聴だけでは、きっともうあの時の私は助からなかったでしょう。

 区役所では、担当者の方が書類をそろえて手取り足取り記入の仕方を指示してくれました。頭が働かなくて大量の文字情報を処理できず、何が書いてあるかすら理解できない私は言われるままに必死で記入しました。

 残念ながら、公的支援には煩雑な手続きを要するものが多いです。必要な人のもとに確実に届くシステムに改善されて、多くの人が救われますように。

◇紙面に掲載された元の作品

※第3水曜日掲載

南家真紀子(なんけ・まきこ)

 アニメーションアーティスト。三重県出身。武蔵野美術大学卒業後、アニメ制作会社勤務を経てフリーに。NHK・Eテレの子ども向け番組「いないいないばあっ!」のアニメコーナーなどを手掛ける。14歳の双子男児と8歳男児を子育て中。作品や活動は公式サイトで紹介している。

コメント

  • 保健師です。 日々子育てに向き合うお母さん達に寄り添い力になりたいと働いてきました。 読ませていただき毎回ぐっときて頑張らないとと再確認させていただきました。 ありがとうございました😭
    しゃらん 女性 50代 
  • 公的支援サービスの手続きってもっとわかり易く簡便にならないのかとよく思います。わざと面倒にして、補助金とか出したくないのでは?と勘繰りたくなることも。そんな時助けてくれる人がいると救われた気持ちになり
    maoponkabu 無回答 無回答