【年収の壁】大学生年代の子をもつ親の特定扶養控除 子の年収制限は150万円に

【第15回】19~22歳の子を扶養する親の税負担を軽くする「特定扶養控除」は、アルバイトをする学生などがいる親に影響します。2025年度の与党税制改正大綱には、「特定扶養控除」の要件緩和が明記されました。
 特定扶養控除は、19~22歳の子どもを扶養する親の年収から、63万円を差し引く制度。親の所得税の負担を減らすことができます。
 
 現行では、子の年収が103万円を超えると親は控除を受けられなくなりますが、2025年から年収制限が150万円に引き上げられます。
 
 収入が増えたのに世帯としての手取りが減ることがないよう、150万円の制限を超えても、188万円までは控除が段階的に縮小する仕組みが導入される予定です。
 
 
 高校生年代の子ども扶養控除については、2024年10月から児童手当が高校生年代まで延長されたことで、2026年以降、16~18歳の子どもがいる家庭の扶養控除が縮小される方針でしたが、縮小方針が見送られました。控除水準はいったん維持し、26年度以降の税制改正で再度判断することとしています。

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〈チェック!子育て家計術〉 出産、子育て、習い事、教育など子育て家庭の出費は何かとかさむもの。この連載では、国や自治体の支援策や子育て家計に役立つ情報をファイナンシャルプランナーの八木陽子さんとともにチェックします。

監修・八木陽子

 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体キッズ・マネー・ステーションを設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う株式会社イー・カンパニーを設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。