髪を染めた女子生徒に「染め直すか、帰るか」…不登校に 世田谷の区立中 区教委が謝罪

岩岡千景 (2020年2月21日付 東京新聞朝刊)
 東京都世田谷区立の中学校で昨年、女子生徒が髪を染めたことを理由に教室への入室を禁じられ、その後、一時不登校になっていたことが分かった。20日の区議会で桃野芳文区議が質問して明らかになった。区教育委員会は「極めて不適切な対応だった」と謝罪した。

校則で茶髪・脱色禁止 校内に白髪染め

 桃野区議によると、同校は校則で茶髪(脱色)を禁じている。昨年の夏休み明け、髪を染めて登校した女子生徒に対し、教師が学校にある白髪染めで「染め直すのか、帰るのか」と迫った。生徒は帰宅し、数カ月間、登校できなくなった。以前にも不登校の経験があったという。

「校則の意義を履き違えた不適切な指導」

 20日の本会議で、世田谷区教委の池田豊教育政策部長は事実と認め、「校則の目的や意義を履き違えた教師による極めて不適切な指導。大変申し訳なく思っております」と謝罪した。

 区教委教育指導課は取材に「校則は学校での集団生活を安全に充実させて送るためのルール。のっとっていないから『帰れ』というのは解決にならない。生徒とやりとりしながら指導していくのが大切だ」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年2月21日