〈奥山佳恵さんの子育て日記〉10・コロナで休校 ダウン症の次男が、こんなに学校が好きだったなんて
1カ月ぶりの登校「やったー!」何度もジャンプ
「やったー!」。両手を上げて、うれしそうに何度もジャンプ。朝から、なんでこんなに次男が喜んでいるかというと、「明日は学校で、学童(保育)で、お弁当だよ」ということを伝えたから。次男にとって約1カ月ぶりの登校日です。
新型コロナウイルスによる政府からの突然の休校要請で、わが家の小学生の次男と高校生の長男は、そろいもそろって自宅で過ごすことになりました。それも3月に入ってからずっと! 学期末試験が直前で中止になった長男は歓喜し、あろうことか「アベちゃんサイコー!」と、首相を「ちゃん」付けして感謝の叫び。ダウン症のある次男は、事態がのみ込めないまま月日だけが過ぎていきました。
〈前回はこちら〉ダウン症の孫を受け入れられなかった義父と、お別れの前に
「学校は?」「学童は?」。次男は不思議そうに毎日、私に聞いてきました。「しばらくお休みなんだよ」。繰り返し交わしたこの会話もいつしかなくなって約1カ月。ついにやってきた「修了式」のための登校日。あまりにも長い休み期間ですが、本来の春休みがようやく始まります。
できないことがあっても。 休校のおかげで発見
ひさしぶりに耳にした「学校」の単語に、次男がこんなに喜ぶとは意外でしたが、とてもうれしい反応でした。みんなと同じようにはできないことがたくさんあっても、学校や学童で過ごす環境が、お友達が、次男は大好きなんだということがわかった。休校のおかげで得た発見です。
一方の長男。「この長い休みに何をするかで人生が決まる」と、説いたのもむなしく、朝から晩までゲームざんまい。スマホを片時も離さず、手に握ったまま眠るほど。あげく、「絶対に勉強しません」と宣言して、かける声も失いました。そうか、そう決めたなら、それも君の人生だ。わが子が決めたこととはいえ、休校でガックリしたことの一つです(笑)。
ひたすらスマホゲームの長男、私に似たのか…
私はといえば、「よーし、家にいる期間を利用して片付けに専念するぞ!」と思った3月頭から、何ひとつ進まないまま、むしろ荷物が増えている。「子どもが家にいると思い通りにはかどらないものねー」なんて言い訳をしながら、お友達と会ったり日々を楽しく過ごしていました。
「よーし、やるぞ!」。今、目の前では、元気にスマホゲームにむかう長男の姿。この子は私に似て、勤勉とは言えないのかも…。これはトホホな発見です。
多くの方が「しかたなかった」と思うことで、乗り越えようとしている今回の休校措置。この思いが報われ、終息へ向かいますように!(女優・タレント)
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