埼玉県立校の休校は5月末まで 国に先立ち決定 大野知事「感染者数はまだ高レベル」
「連休中の遅い時期に判断」では子どもへの影響大きい
大野知事は、約3週間に及ぶ緊急事態措置の効果について「一定程度出ているが、まだまだ(感染者数は)高いレベルにある」と述べた。東京に隣接しているなど「首都圏全体を見て考えなければいけない」とし、「子どもたちに不安を与えず、感染させないためには休校せざるを得ない」と話した。
この日、大野知事は西村康稔経済再生担当相に国の交付金拡充などを要望。その際、西村担当相から、緊急事態宣言の延長について「連休中の遅い時期に判断したい」と伝えられた。「連休のまっただ中で判断すれば、子どもや保護者らへ影響が大きい」ため、国に先立ち休校延長を決定したという。5月末までにした理由は「可能な限り学業への影響が少ないことが望まれる」ためと説明した。
知事は県教育長に、進路支援や通学せずに学べる方法、特別支援学校の対応について検討を指示した。
埼玉県内の市町村教委も「想定内」 既に決定済みの自治体も
八潮市教委「子どもの安全考えると再開できない」
小鹿野町教委の担当者は「延長の可能性はあると想定していた」。同町では休校中、小中学生に無料で昼食を配る取り組みをしており「今まで通り続けることになるだろう」と話した。
八潮市教委は27日、知事の表明前に5月末までの休校を決定。担当者は「八潮は感染者が多い東京に近く、感染拡大も続いている。子どもの安全を考えるととても再開できない」と説明する。授業日数確保のため夏休みを短縮し、1学期を5月7日~8月7日とする予定だったが、再度の休校延長で検討し直す。
さいたま市教委 1コマ15分の「デジタル授業」へ
さいたま市教委も、大型連休明けに学校を再開することは困難と考え、市立小中学校の児童生徒に市教委のサイトから「デジタル授業」を配信する準備をしていた。27日は臨時の校長学校研修会を開き、細田真由美教育長が実施の詳細を説明したところだった。
デジタル授業は、市教委が市内の教師に依頼して作った1コマ約15分の授業動画を配信するもので、子どもたちは市内共通の時間割に沿い、該当する授業の動画を選んで視聴する。その中の先生の指示で動画を一時停止し、ワークシートの問題に取り組むなどすると40分間の授業になる。
熊谷市・深谷市「県が決めた以上、延長を検討する」
東松山市の安元信幸学校教育課長は「現在の状況を考えると、5月7日から再開できるのか懸念があった」と話した。対応は「県教委の通知を受けて考える」という。
熊谷、深谷市は「県が方針を決めた以上、(延長の)検討に入る」、本庄市は「県から正式な話が来てから考えたい」。鴻巣市は「子どもたちのことを考え、最良の方法を検討したい」とコメントした。