来春から先生に「さよなら」言えるよ 東京都の教員異動、公表を4月1日から年度内に前倒し
余裕を持って別れの機会が持てるように
発地易隆都議(自民)の一般質問に答えた浜教育長は「教員と児童、生徒たちが余裕を持ってお別れの機会が持てるよう、公表時期を早めるべく調整を行っている」と述べた。発表時期を春休み前にするかどうかに、都教育庁の担当者は「それも含めて調整中」としている。
都教育庁の方針に、東京都江戸川区の中学3年、辻野まなカロリナさんは「学校生活で先生は大切で重要な存在。節目で感謝の気持ちを伝える時間が取れるのはうれしい」と喜んだ。現在通っている国立大付属の中高一貫校では、3学期中に先生が異動を伝えてくれるが、区立小時代は「異動が分かるのは新年度になってからだったので、お世話になった先生にお礼やお別れができないこともあり、心残りだった」。
「前任校に心を残したまま去らずに済む」
教員と教え子が「お別れの機会」を持てる日程で、年度内に解禁日を定めている自治体もあり、都内の公立小教員、瀬原徹郎さん(61)は「他県では年度内に発表できているので、都もできるはずだと思っていた」と振り返る。瀬原さんが5年前まで務めていた山口県でも、例年3月末に異動の発表があり、31日にお別れ式が行われている。
東京では新年度のスタートが一段落した4月末から5月にかけて、教員が前任校を訪れる「離任式」を開く学校が多いが、新任校の行事などと重なれば出席できないこともある。瀬原さんは「教員も子どもたちも、すでに気持ちが切り替わっている時期。熱い気持ちで3月末に言葉を交わすのとは違う」と残念に感じていたという。
瀬原さんは「前倒しは子どもや保護者にとっても、教員にとっても意義のあること。年度末にしっかり別れを交わすことができるようになり、前任校に心を残したまま去らずに済むようになるのは非常に喜ばしい」と評価。「今後は年度内のどの時期に発表されるのかによって、学校の中でどのような別れの機会を設けるかが検討対象となるだろう」と話している。
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