来春から先生に「さよなら」言えるよ 東京都の教員異動、公表を4月1日から年度内に前倒し

三宅千智、今川綾音 (2022年12月9日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
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2022年春の首都圏の教員異動情報を掲載した東京新聞の別刷り特集紙面

 東京都の浜佳葉子教育長は8日の都議会本会議で、離任する教員と児童、生徒が年度内にお別れのあいさつができるようにこれまで4月1日だった教員異動の公表を年度内に早める方針を明らかにした。2023年3月から適用する。神奈川県や千葉県では年度内にお別れの機会を設けている学校もあり、都内の子どもや教員から発表時期の前倒しを求める声が上がっていた。

余裕を持って別れの機会が持てるように

 発地易隆都議(自民)の一般質問に答えた浜教育長は「教員と児童、生徒たちが余裕を持ってお別れの機会が持てるよう、公表時期を早めるべく調整を行っている」と述べた。発表時期を春休み前にするかどうかに、都教育庁の担当者は「それも含めて調整中」としている。

 都教育庁の方針に、東京都江戸川区の中学3年、辻野まなカロリナさんは「学校生活で先生は大切で重要な存在。節目で感謝の気持ちを伝える時間が取れるのはうれしい」と喜んだ。現在通っている国立大付属の中高一貫校では、3学期中に先生が異動を伝えてくれるが、区立小時代は「異動が分かるのは新年度になってからだったので、お世話になった先生にお礼やお別れができないこともあり、心残りだった」。

「前任校に心を残したまま去らずに済む」

 教員と教え子が「お別れの機会」を持てる日程で、年度内に解禁日を定めている自治体もあり、都内の公立小教員、瀬原徹郎さん(61)は「他県では年度内に発表できているので、都もできるはずだと思っていた」と振り返る。瀬原さんが5年前まで務めていた山口県でも、例年3月末に異動の発表があり、31日にお別れ式が行われている。

 東京では新年度のスタートが一段落した4月末から5月にかけて、教員が前任校を訪れる「離任式」を開く学校が多いが、新任校の行事などと重なれば出席できないこともある。瀬原さんは「教員も子どもたちも、すでに気持ちが切り替わっている時期。熱い気持ちで3月末に言葉を交わすのとは違う」と残念に感じていたという。

 瀬原さんは「前倒しは子どもや保護者にとっても、教員にとっても意義のあること。年度末にしっかり別れを交わすことができるようになり、前任校に心を残したまま去らずに済むようになるのは非常に喜ばしい」と評価。「今後は年度内のどの時期に発表されるのかによって、学校の中でどのような別れの機会を設けるかが検討対象となるだろう」と話している。

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  • 匿名 says:

    お世話になっていた先生が新学期に発表されていた時はショックで感謝の気持ちを伝えられなくて後悔していたけれど年度内に発表されてくださっていたから感謝の気持ちを伝えられて新学期を迎えることができました。

     女性 10代
  • 元教員 says:

    まず「離任式」って、都内多くの公立小学校は、大型連休前の4月下旬から5月初めの、休日前日にやることが多いです。理由は、その期間は飛び石休日で、子どもが学習に集中できないとか、子どもを休ませてしまう家庭もあるとか、授業を進められない原因があるので、そういう機会に行事をぶち込むのです。同じ時期にやれば、担任が抜けることにも他校との間に理解が生まれます。ところが、今回のことで、離任式の日程にも変更があるってことでしょうか?

    しかしながら、他県などでは、3月の年度内に離任式を行うところがほとんどで、こんな1か月もあとになって、卒業生は無視され、こんなバカバカしいことを今まで平然と続けていた、続けていることが奇妙すぎます。それが慣習だったからなのでしょうが、改善しようともせずに今まで続けてきた東京都、都民として恥ずかしいです。東京の教員やめたくなりますよ。都税も払いたくありません。少しでもそういう部分が今後、改善されていくといいですね。小さな社会は、大きな社会の縮図です。

    元教員 男性 50代
  • 不適切教諭の被害者 says:

    都の教員の人事発表が前倒しになったことは非常に素晴らしいと感じる。記事に書いてある内容ももちろんあるが、それ以上に先生と生徒でトラブルが発生をしている場合には非常に重要なことである。

    いじめは生徒同士だけの問題ではなく、教員が生徒に行うこともある。このような不適切教諭が原因で学校へ行けなくなっている場合は、人事異動が早く発表されて年度内に離任式を行ってくれることは非常にありがたい。

    先生と生徒の関係性が大悪化した場合、同じ空間でその2人が生活をすることはできなくなる。すると、「先生が働く権利」vs「子どもが学校に通う権利」が発生する。

    学校長は指導をできても教員の処分はできない。どんなに生徒を救いたくても教委が処分または人事異動をしない限り、学校長は教諭を学校で働かせなくてはならない。そのため、必ず被害者生徒よりも「不適切教諭が働く権利」が優先される。

    数年かけて、やっと異動になった不適切教諭が新年度に再び学校に戻ってくるなど被害者からすると本当にありえない。問題のある先生こそ被害者生徒の気持ちなど全く考えていないため、のこのこ離任式にやってきてしまう。すると、再び、被害者生徒は学校へ来られない日が出てしまうのである。

    先生と生徒の間でトラブルが起きている場合は、次のクラス配置などの配慮も必要なため学校としても早めに分かっている方が準備をする時間が取れてよいと考える。人事を早める意義は、「先生と生徒がお別れの機会を持てる」なんて簡単なものではない。もっと、重要な意義を感じる。トラブルが起きている時こそ早い人事異動の発表は大切である。被害者児童は、人事発表をいまかいまかとずっと待っている。

    不適切教諭の被害者 女性 30代

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