多様性を学べる「体を使わない体育」って? ダイアローグ・ジャパン・ソサエティが江戸川区の小学校で特別授業
奥野斐 (2023年6月20日付 東京新聞朝刊)
多様な人がいる社会を子どもたちに体験を通じて考えてもらおうと、江戸川区立大杉小学校で19日、「『体』を使わない『体育』」などの特別授業が行われた。6年生約60人が参加。電動車いす利用者や聴覚障害者、性的少数者のキャストらと交流し「多様性」を楽しみながら学んだ。
体の一部だけを使った遊びなど
視覚障害者の世界を体験するプログラムなどを提供している一般社団法人「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」が、7月末から始まる新プログラムの紹介を兼ねて実施した。
6年生28人が体験した「体育」は、全身の筋力が徐々に低下していく筋ジストロフィー患者で電動車いすを使うキャストの「ぐろ」さんが担当。児童は7人ずつに分かれ、背中や足の甲、ふくらはぎなど、それぞれ体の一部だけを使ってボールを順に運び、ぐろさんに届けるゲームに取り組んだ。体を曲げたり反らせたり、声を掛け合いながらボールを次の人に回していた。
走ることが難しい人でも楽しめる
山田清貴さん(11)は「体が不自由でも楽しめることが分かった。楽しかった」と笑顔。ぐろさんは「体の一部だけを使うルールにすると、走ることなどが難しい人でも一緒に楽しめるんだと覚えていてほしい」と児童に呼びかけた。
ダイアローグ・ジャパン・ソサエティの新プログラム「リアル対話ゲーム2(ローマ数字の2)『囚われのキミは、』」では、この日の特別授業と同様な体験ができる。7月29日から9月10日まで、竹芝(港区)にある施設「対話の森」で開催。自分や社会の思い込みに気づき、抜け出す方法を考える内容で、体験時間は約95分。事前予約制で、チケット販売は今月24日から。いずれも税込みで大人3850円、小学生1650円など。問い合わせは、対話の森=電話03(6231)1634=で受け付けている。
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