企業主導型保育の助成金詐欺 立件総額5億9000万円に 福岡のコンサル会社社長を追起訴

山田雄之 (2019年8月14日付 東京新聞朝刊)

助成金詐欺の舞台になり、開園に至らなかった現場=福岡市で

 企業主導型保育事業を巡り、5施設分の助成金計約4億8000万円を詐取したとして、東京地検特捜部は8月13日、詐欺などの罪で、福岡市のコンサルタント会社「WINカンパニー」社長の川崎大資(だいし)容疑者(51)=融資金詐欺事件で起訴=を追起訴し、元社員の佐藤佑紀容疑者(29)を起訴した。融資金詐欺と合わせた川崎被告の立件総額は約5億9000万円になった。

名古屋、大阪、福岡で計5カ所

 関係者によると、川崎被告は起訴内容の一部について、「(佐藤被告に)手続きは任せていた」と否認しているという。

 起訴状によると、2017年11月~2019年2月、内閣府の委託で助成金の交付審査を担当する児童育成協会に虚偽の工事請負契約書を提出するなどし、名古屋、大阪、福岡の各市での計5カ所の保育所整備を巡る助成金をだまし取ったとされる。

 助成金は整備費の4分の3を上限に、工事の進捗(しんちょく)状況などに応じて支払われる。5施設はいずれも開園に至らず、事件後に助成決定が取り消されるなどした。