全国初の「体罰禁止」条例 東京都で成立 4月1日に施行

(2019年3月29日付 東京新聞朝刊)
 東京都議会は28日、本会議を開き、保護者による体罰を禁じる子どもの虐待防止条例案を全会一致で可決して閉会した。保護者の体罰禁止を定めた条例は都道府県で初めて。4月1日に施行される。

国に先駆けた動き 小池都知事「大きな流れつくった」

 条例では保護者に対し、しつけの際に子どもに肉体的、精神的な苦痛を与える行為を禁止する。罰則はなく、体罰の具体例は示していない。民法で親権者に子どもを戒める懲戒権が認められているため、禁じる体罰を「子どもの利益に反するもの」とした。都が啓発活動をすることも盛り込んだ。

 政府は同じ趣旨の改正法案を今国会に提出し、来年4月1日の施行を目指しており、都の条例が先行する。小池百合子知事は報道陣に「(体罰禁止の)大きな流れをつくった。国の法律にもプラスの影響になったらなあと思う。(啓発など)良い執行を重ね、虐待防止につなげたい」と述べた。