児童虐待「親のイライラ、子どものSOS」LINEで相談を 東京都が全国初の窓口開設
原尚子 (2018年10月29日付 東京新聞朝刊)
児童虐待の相談をしやすくしようと、東京都は11月1~14日、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った窓口「東京 親と子の相談ほっとLINE」を試験的に開設する。11月の児童虐待防止推進月間に合わせたもので、児童虐待のLINE相談は全国初。都は来年度からの本格導入を目指している。
周囲からの相談急増、しかし当事者は少なく
都によると、都内の児童虐待の相談対応件数は4年前から急増し、昨年度は1万3700件と過去最多。しかし警察や近隣知人など周囲からの相談が多く、当事者やその家族からの相談件数は伸び悩んでいる。
そこで、子どもや子育て世代に浸透しているLINEに窓口を設定。「イライラして子どもをたたいてしまう」といった親の悩みや「ご飯を食べさせてもらえない」など子どものSOSを受け付け、虐待につながる可能性を見抜いて解決に向けて一緒に考え、支援につなげる。
いじめ相談もSNSが主流「どうすくい取るか」
27日には相談を受ける臨床心理士らへの研修が都内で開かれ、約60人が参加した。「母親の交際相手に性的虐待を受けた女子高校生」など架空の相談で対応訓練を実施。臨床心理士の女性(42)は「相手のつらさに共感することが大切だが、文字だと『そうですよね』の繰り返しで先に進まなくなることがある」と難しさも話した。
全国SNSカウンセリング協議会によると、いじめなど子どもの悩み相談では本年度上半期、会員制交流サイト(SNS)での相談件数が電話相談の26.4倍に上った。同協議会理事長でLINE執行役員の江口清貴さんは「今まで窓口に来なかった人をどうすくい取るかが重要」と話した。
相談は、LINEアプリ上で「東京 親と子の相談ほっとLINE」を友だち登録して行う。
<友だち登録はこちらから(LINEアプリが起動します)>
相談の受付時間は午前9時~午後9時(土日祝は午後5時まで)。
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