〈奥山佳恵さんの子育て日記〉12・新しい日常 「できる」ことに喜びを重ねていこう。次男の成長のように
県またぎの移動はまだ控えているけれど
緊急事態宣言が解除され、少しずつ街が日常に戻るのを感じます。次男の小学校では短縮授業ではありますが、毎日の登校が始まりました! ランドセルを背負い「行ってきます!」と、うれしそうに玄関から駆けだす姿を見ると、喜びが伝わってきます。
〈前回はこちら〉11・巣ごもりストレスで爆発 そのときダウン症の次男が…
ただ、私たちが住む神奈川県では、県またぎの移動はまだ控えないといけません。できないことに目が行くと息が詰まってしまう。でも、制限がある時だからこそ、できることを積極的に見つけると、生きやすく、息がしやすくなるから不思議です。
歩いて数分 今は神奈川の海を楽しもう
神奈川にいよう。地元を楽しもう。お天気の日曜日、家族で久しぶりに海に行きました! 海まで歩いて数分のところに住んでいるのに、外出自粛の間は海にも行っていなかったので新鮮でした。次男は砂遊びや波打ち際で遊び、私とダンナさんは波の音を聞きながらのんびりと、夏の家族旅行についての話。「今年の夏は、瀬戸内海か四国の海に遊びに行こうと思っていたんだけど」「行けるかわからないね」「行けたとしても、地元の方に神奈川から来た、ってことを嫌がられるかな」
あれ? でも、よく考えたら、目の前には同じ海。「私たちこそ、旅行先に住んでるんじゃない?」。移動手段を考えたり、違う景色を見たり、旅行は楽しい。経済も回る。けれど、できることは目の前にあるのです。着替えを持たずに全身ビショヌレになっても、徒歩で家まで帰れます。太陽があって、家族がいて、みんな笑っていて。距離を保って、お友達と外でごはんを食べることもできる。
できることの数が増えると、心はますます自由になる。ダウン症の次男が成長する過程で、私がずっと実感してきたことでもありました。
母や祖母とも、オンラインでつながった
私の実家は、県をまたいだ東京にあります。帰省は長らくできていません。先日、妹が、わが家と実家をオンラインでつなげてくれました! 92歳になったばあちゃんの元気な姿、次男に手を振る母の笑顔。離れていてもすぐそこにいるみたい。デジタルのおかげで可能になった「できる」に感謝です。翌朝、次男が開口一番、「さあ、いまからみんなで行こう!」にはまいりましたが。実家の家族に、会うのはもう少し先。今は、学校のお友達と再会できたことを喜びあおう。
「できる」ことに喜びを重ねて、少しずつゆっくりと、みんなで新しい日常を作っていきたいと思います。(女優・タレント)
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