「宿題ができない子は介護が理由かも」小学生がヤングケアラーを学ぶ授業
菅原洋 (2022年9月15日付 東京新聞朝刊)
家族の介護や世話を日常的に担い、勉強や就職などが制約される恐れのある18歳未満の子ども「ヤングケアラー」について学ぶ授業が13日、埼玉県久喜市の栗橋南小学校であり、成蹊大教授の渋谷智子さんと元ヤングケアラーの男性が講演した。
病気の母と障害がある弟…寸劇披露
埼玉県教育局が主催し、6年生約80人が会場の体育館で、5年生約60人は主にオンラインで受講した。
渋谷さんは東京大卒業後、同大学院で博士号を取得し、ヤングケアラーに関する著作がある。講演の冒頭、ある児童が病気の母親と障害がある弟を支えているという寸劇が披露された。
渋谷さんは「もし友達が世話をしている家族の話をしたら、聞いてあげて」「宿題ができない友達がいたら、その理由が介護などかもしれないと考えてみて」と児童に呼びかけ、関連する絵本も読み聞かせた。
「自分が癒やされる場所を見つけて」
元ヤングケアラーの男性も「この中に(ヤングケアラーが)いるかもしれないと思って」「困っている児童がいたら、自分が癒やされる場所をみつけてほしい」と語りかけた。
終了後、5年生の上杉琴乃さんは「『だらしない』と思っていた友達の中に頑張っている人がいるかもしれないと分かった。これからは協力したい」と感想を語った。