「先進的な虐待対策に取り組む」小池都知事インタビュー 任期満了まであと1年
石原真樹、森川清志 (2019年8月1日付 東京新聞朝刊)
東京都の小池百合子知事は7月30日で任期満了まで1年を迎えたのにちなみ、東京新聞のインタビューに応じた。残りの任期で「長期戦略を描いていく」と述べた。主なやりとりは次の通り。
-この3年間で強調したい実績を3つ挙げるとすれば。
真っ先に取り組んだのが待機児童対策。就任したころ8466人だった待機児童を約5000人削減できた。5000人の女性が活躍の場を確保され、子どもたちも居場所を確保された。人に着目した3年間が、一つずつ実を結びつつある。
超高齢社会が到来しており、健康がファクター(要因)として必要になる。ここも居場所(の確保)なんだと思う。首都大学東京でまず(シニア向けのカリキュラムを設け)モデルケースをつくる。
3つ目は条例(の制定)。受動喫煙防止条例や障害者差別解消条例、児童虐待防止条例、人権尊重条例を成立させてきた。
-残りの任期で取り組みたいことは。
長期戦略を描いていく。先だっての記者会見でチェンジ(意識改革)やチャレンジ(挑戦)、コミュニティー(集い、暮らす)、チルドレン(子どもを育む)、長寿など7つのCと申し上げた。
1964年の(五輪・パラリンピック)大会は高度経済成長につながった。成長というのは一つの大きな目標でレガシー(遺産)にもなる。2020年大会は、持続的な成長と成熟の2つをキーワードにしながら東京を設計したい。
-児童虐待に対する取り組みは。
先進的な虐待対策にも取り組みたい。4月に(児童虐待防止)条例を作ったばかりだが、子どもの年齢や発達の程度に応じた意見を尊重することと、子どもの最善の利益を最優先することが基本になる条例。(子どもの意見を代弁する)アドボケイト制度について、国で検討が行われているので動向を注視したい。