公共施設「小中校生はお断り」 加須市の新型コロナ対策、「やってはいけない対応」と批判も

寺本康弘、加藤木信夫 (2020年3月3日付 東京新聞朝刊)

小中学生の公共施設への入館拒否を知らせる張り紙=2日、埼玉県加須市立加須図書館で

 埼玉県加須市が、小中学校の臨時休校を受け、今月末まで図書館など市内の公共施設への小中学生の入館を拒否する方針を取っていることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとするが、図書館からの排除は、さまざまな人を広く受け入れる図書館の理念に反すると批判の声も出ている。

担当者「臨時休校で子どもが集まってしまう」

 加須市内の図書館や公民館、体育館などに張り出されたチラシには「小・中学生の市内各公共施設への入館をお断りさせていただいております」と記載されている。市によると、市長や教育長がメンバーの対策会議で2月28日に決めた。担当者は「臨時休校で子どもが集まってしまい、教室と同じように感染リスクが高まる」と説明。2日に高校生も対象に加えた。

 市立加須図書館では2日午前、親子連れが図書館を訪ねようとしたが、張り紙を見て入館せずに帰っていったという。

「特定の年齢に”来るな”は排除。とんでもない」

 埼玉県内では、入間市も同様に図書館など一部の公共施設で小中学生を受け入れない決定をし、対象施設に3月中は利用できないとする張り紙を掲出した。

 公益社団法人・日本図書館協会図書館の自由委員会の西河内靖泰(にしごうちやすひろ)委員長(66)は「特定の年齢に対して『来るな』というのは排除と同じでとんでもないし、やってはいけない対応」と批判。年齢などでの差別禁止を定めた「図書館の自由に関する宣言」にも反すると指摘し、「感染防止の態勢を万全とするか、休館するなど対応を工夫すべきだ」と話している。 

 

コメント

  • 差別はよくない。そんなに優先順位付けたいなら、子ども優先で。大人は我慢すればいいし、色々と行動に制限かけられやすい、子どもの自由を奪うな!
     
  • 責任を取ることのできない状況になった場合、「安全の確保ができないので提供を停止する」と宣言するのは、「安全の確保ができる状況じゃないが皆さんの運を信じて自分のキャパシティを超えたことをします」というよ