反抗期の中2娘、互いに気持ちよく過ごす接し方は?〈子育て相談 すくすくねっと〉
反抗期の娘に注意すると大げんかに。接し方は?
反抗期の中学2年の次女。いつまでもスマートフォンを見ているかと思えば、学校の課題は猛スピードでしっかり終わらせます。「やらなきゃ」という自覚も能力もあるのに、締め切りが迫らないとやらない。注意すると大げんかに。どう接したら、互いに気持ちよく過ごせますか。(富山県、49歳)
言葉を選び、距離を置く
名古屋市天白区の女性(50)の場合、今年20歳になった娘が小学校高学年の時に反抗期になったという。「親の話は聞かない。注意なんてなおさら」と振り返り、「失敗から学ぶことも必要だと思うので、ある程度は親は我慢して、言葉を選んで話したり、少し距離を置いたりした」。女性は、娘が小中学生の頃は一緒に好きなアニメを見たりライブに行ったり。高校生になると買い物や映画に誘い、「共通の話題を持って、少しでも会話するように心掛けた」と工夫を語る。
機嫌の良いときに伝える
「締め切りが迫らないと学校の課題を終わらせない」と心配する相談者に、愛知県小牧市の女性(40)は、「お互いに機嫌の良いときに、『いつも締め切りギリギリだけど、何か理由があるの?』と聞いてみては」と提案する。その上で、「焦って課題をしても、記憶が定着しないのでは」など親の思いを伝える。
「子の問題」と割りきる
スマホがやめられないなら、親子で話し合って親がスマホを管理するなど、課題に取り組みやすい環境を整えてもいい。「高校生の息子も締め切りギリギリだけど、話し合って『課題は息子の問題だから、私は立ち入らない』と割り切ったら、前よりも気にならなくなった」と打ち明ける。
つかず離れず見守っては
岐阜県各務原市の女性(56)は、「心配のあまり、『お母さんの理想』を押しつけてませんか」と問いかける。「もっと肩の力を抜いて、つかず離れず、子どもの変化に気を抜かず、で遠くから見守っては」とアドバイス。「もし話したいことがあれば子どもから話してきますよ」
ルールや「反抗期届」も有効 「親と子」から「人と人」の信頼関係へ
成長の過程で、周囲の大人や家族に対して反抗するような態度や言動を取る「反抗期」。一般的には、2歳ごろからの「第一反抗期」と、思春期の「第二反抗期」がある。
「反抗期は、親にとって自分が子どもとどんな関係性にあるかを考え直す大切な機会」。そう話すのは、脳科学や心理学の観点から子育てを考える公認心理師、服部剛典さん(44)=名古屋市=だ。
小学校高学年ごろから始まる第二反抗期は、子どもも保護者も変化が大きい時期。子どもは小学校から中学校へ環境が大きく変わる。授業は難しく、先生も新しい。第二次性徴が始まり、声変わりや体形の変化など、自分の意思にかかわらず変化が起きる。親も、受験を意識して学校の成績が気になるように。弁当や塾への送迎が必要になるなど、生活スタイルも変わる。
「本来、脳は安定した状態を求める。変化が大きいこの時期は『不安』を感じやすく、心理的に危険な状態になりやすい」と服部さん。理性的な行動ができず、「闘争・逃走反応」といって、「戦うか逃げるか」という行動や判断に陥りやすいという。
そのため、重要なのは、「親も子も、心理的に安全な状態をつくり、理性的な行動・判断ができるようにすること」。子どもには、自分の体にどんな変化が起こり、いつごろ安定するのかを知ってもらい、保護者は自分も理性的になりにくい時期であることを知る。その上で、家族で話し合い、お互いに了解した家庭内のルールを作り、行動の指標とする。
ルールを作る時の参考に、服部さんが薦めるのが、ネットで話題になった「反抗期届」。ある男性がツイッター( @tye_es1 )で、中学2年の息子が提出した届出書を紹介すると、「面白い」「まねしたい」と大きな反響があった。男性の妻が作成し、息子が書き込んで出したという。男性の許可を得て掲載する。
とはいえ、ルールを決めても、反抗期の子どもの言動で落ち着かない気持ちになり、言い返してしまうこともあるだろう。そんな時に意識してほしいのは、「自分が相手をどう思っているかによって、相手の行動への感じ方が変わる」という服部さんの指摘だ。
例えば、子どもがスマホを触っている時、普段から「スマホばかり触って」と思っていると、「またスマホを見てる」「どうせ学校の課題は終わってないんでしょ」と考えてしまう。逆に、「いつも部活も課題も頑張ってるな」と思っていたら、「たまには息抜きも大切」「調べ物でもしてるのかな」と受け止める。
そこで服部さんは、「子どもの『いいね!』を見つけて」と呼びかける。「食器を片付けてくれた。洗濯物を取り込んでくれた。そんなことからでいい」。他人と比べず、本人がどれだけ成長したかを見る。
子どもの良い面を見て信じる気持ちが高まると、物事の判断を自然に子どもに任せられるようになり、子どもも理性的な行動や判断ができるといった良いサイクルが生まれる。「『親と子』の関係から、『人と人』の信頼関係を構築することを目指してほしい」
「自分の部屋が欲しい」という中1長男
中1の長男が、自分の部屋が欲しいと言います。小5の次男、小3の長女もいる5人家族で、賃貸の2LDK暮らし。LDK(約12畳)と洋室(6畳強)で皆がくつろいだり勉強したりし、もう一つの洋室(6畳強)が寝室です。プライベート空間をつくる良い方法があるでしょうか。(愛知県、46歳)
コメント