「発達障害あるある」世田谷区が動画 東ちづるさんも出演 明日は「世界自閉症啓発デー」

(2020年4月1日付 東京新聞朝刊)

 4月2日の国連「世界自閉症啓発デー」に合わせ、世田谷区が、自閉症など発達障害の特性を知ってもらう啓発動画「ハッタツ凸凹あるある」を作った。動画は3本あり、当事者や区職員のほか、女優の東ちづるさんが出演している。動画投稿サイト「YouTube」の世田谷区公式チャンネルで見ることができる。

失敗例を紹介「指示は具体的に」 周囲の関わり方も助言

 発達障害は見た目からは分かりづらく、その行動や言動が、本人の努力不足や保護者の育て方に原因があると誤解されやすい。周囲の理解や配慮が必要なことを多くの人に知ってもらいたいと、世田谷区は啓発動画を制作した。

 動画では、当事者が日常生活で困っている様子や起こりうる失敗例を紹介する。

(1)「言われた通りにやったのに…の巻」では、若手社員が職場で困った様子を描いた。
(2)「正直すぎて冷や汗の巻」は、思ったことを口にしてしまう男子中学生が主人公。
(3)「変化でパニックの巻」は、マイルール(自分のこだわり)がある女子高生の学校生活を題材にした。

 それぞれ、時間は1分半程度で、内容は実際のエピソードに基づいている。「指示を具体的に」「変更を事前に伝えて」など、周囲の関わり方のヒントも盛り込んだ。

「コロナで日常のルーティンできない人も。多くの人に見てほしい」

 東ちづるさんは「まぜこぜの社会をめざす」をテーマに活動する一般社団法人「Get in touch」代表で、啓発動画を企画する段階から協力した。監修には、当事者団体のNPO法人「東京都自閉症協会」が協力した。

 東さんは「特に今、休校や(新型コロナウイルスの)感染の不安で日常のルーティンをできない人たちが多いと思う。たくさんの人に見てもらいたい」と話している。