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ハーフで褐色肌のプリキュアが登場 セサミストリートには自閉症児 みんな違って、みんないい

(2019年3月30日付 東京新聞朝刊)
 女の子向けアニメに褐色の肌の子が登場したり、子ども向け教育番組に自閉症の子が出てきたり-。子どもが触れるテレビ番組や絵本などに多様なキャラクターが次々と登場している。専門家は「フィクションの世界で障害のある人や外見の異なる人に接することは、偏見をなくす一歩になる」と歓迎する。
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アニメ「スター☆トゥインクルプリキュア」。左上がハーフのプリキュア「キュアソレイユ」(C)ABC-A・東映アニメーション

プロデューサーの狙い「子どもたちの環境に近いものを」

 少女たちが戦士に変身するアニメ「プリキュア」(テレビ朝日系列)は、2004年の放送開始以来、絶大な人気を集め続ける。今年2月に始まった新シリーズ「スター☆トゥインクルプリキュア」では、外国人の父と日本人の母の間に生まれた褐色の肌の中学生・天宮(あまみや)えれながプリキュアの一人に加わった。テニスの大坂なおみ選手を思わせる運動神経抜群で笑顔が魅力的なキャラだ。

 前作「HUG(はぐ)っと!プリキュア」では、シリーズで初めて男の子のプリキュアが起用され、「男の子だってお姫様になれる!」のせりふが話題になった。

 国内でも外国にルーツのある子どもが増えている。LGBTなど性的少数者の子への配慮が叫ばれ、女の子らしい服装などジェンダー(社会的性差)にとらわれない育児も注目されている。今作を制作したABCアニメーション(東京)の田中昂(あきら)プロデューサーは「今の子どもたちが置かれた環境に近いものを描くことが、共感につながる」と狙いを説明する。

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米国の子ども向け教育番組「セサミストリート」に登場する自閉症の少女ジュリア=TM/(C)2019 Sesame Workshop. All rights Reserved.

ブルーナ絵本「ろってちゃん」には車椅子の女の子

 愉快な人形が活躍する米国の子ども向け教育番組「セサミストリート」には2年前、自閉症の4歳女児「ジュリア」が現れた。人気キャラクターのビッグバードが、話しかけても返事をしないジュリアに戸惑っていると、「ジュリアは自閉症なんだよ。何か聞かれてもすぐには答えられないことがあるんだよ」と仲間が教える場面が印象的だった。

 絵本でも、車椅子の女の子・ろってが主役の「ろってちゃん」(福音館書店)が3年前に約15年ぶりに復刊。ろってがボール遊びの仲間に入ろうとすると、友だちは嫌な顔。しかし、素早く動く彼女にみんな感心するようになるストーリーだ。作者の故ディック・ブルーナさんは、片方の耳が曲がったウサギなど、障害者や見た目の違うキャラクターを多く描いている。

 福音館書店絵本編集部の宇田純一さんは「作品はブルーナさんから子どもへの一つのメッセージ。人間のいろんな側面に光を当てた作品を紹介したい」と話している。

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ディック・ブルーナ絵本「ろってちゃん」

「いろんな人がいる」と知ることが大事 

 障害理解が専門の筑波大医学医療系教授・徳田克己さんによると、子どもの向けのテレビ番組や映画には、10年ほど前からさまざまな特徴がある子が登場するようになった。ディズニー映画などに歯列矯正中の子が登場するのもその一例だ。

 徳田教授は「人は高い頻度で目にするモノやコトには親しみが持てる。小さい子にとって生活の一部のようなアニメやテレビ番組、絵本で、自分と異なる特徴がある子に接することで、違和感は低下し、周囲に障害がある人がいても特別視しないようになる」と指摘。「小さい頃は『いろんな人がいるんだ』と知ることが大事。子どもの親しむ世界に、多様なキャラクターが登場することは非常に大きな意味がある」と話す。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年3月30日