学校が苦手な子が安心して過ごせる「街のとまり木」マップ 川崎市版ができました フリースクールや子ども食堂など90カ所

竹谷直子 (2022年11月13日付 東京新聞朝刊)

マップの一部=多様な学びプロジェクト提供

 市民団体「多様な学びプロジェクト」(川崎市高津区)が、川崎市内のフリースクールや子ども食堂など、学校や家庭以外の居場所を紹介するマップを作った。今月から配布が始まり、市立小中学校や図書館、子ども文化センターなど約300カ所で手に取れる。

「多様な学びプロジェクト」が作成

 多様な学びプロジェクトでは、2017年から子どもたちが安心して立ち寄れる地域の居場所として、申請した団体などを「とまり木」として登録する活動を続けている。ホームページで紹介している全国の「とまり木」の中から、川崎市の情報を取り出して「学校が苦手な子と保護者のための街のとまり木マップかわさき版」としてリーフレットを作成した。

 区ごとにマップと施設名などの一覧表をつくり、「とまり木」や市総合教育センターなど市内約90カ所の施設や団体を紹介している。活動する人の顔や場所の雰囲気が分かるように、写真も取り入れている。

「不登校は親の責任」…ではない

 代表の生駒知里さん(44)は、長男が小学1年のときに不登校になった。情報を探すためにインターネットを使ったが「不登校は親の責任」「甘えた子がなる」などの誤った情報があふれていた。「見るだけで落ち込んだり、自分を責めたりしてしまう。図書館など日常的に使う場所に手に取れる情報があれば」と思い、マップを作った。

オンライン取材に応じる生駒さん

 不登校の児童・生徒は増加傾向にある。2021年度、全国の小中学校で不登校の子どもは24万4940人で、過去最多となった。生駒さんは「子どもはこういう所に行けると分かるだけで、孤立感から解放され安心できる。掲載されている施設がきっかけとなって、地域の人ともつながり合える場所になってほしい」と話した。

 マップは、多様な学びプロジェクトのホームページ内でもダウンロードできる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年11月13日