タレント バービーさん 出会いはインスタ。夫といる時は「芸人として頑張らなくていい」
事実婚か法律婚か 「個と個」の意識
今春、結婚しました。夫は教育関連の会社員。3年前にインスタグラムのダイレクトメッセージでやりとりしたのが、交際のきっかけでした。彼の文面から、芸能活動の奥に、私という人間の存在があるのをちゃんと理解してくれているなと感じて。会っても芸人として頑張らなくても良さそうという直感はありました。めっちゃテレビ好きな人ですが。
私はずっと結婚という形には前向きではなくて。ルールが苦手なタイプで、既婚女性に向けられる視線や圧のようなものが、とっても息苦しいと思っていました。プロポーズしてもらってから、事実婚にしようか、選択的夫婦別姓もまもなく実現するのかな、とかいろいろ考えているうちに1年くらい寝かせてしまいました。
彼は一般的な結婚のイメージを持ち、結婚に前向きでない女性がいる理由がわからないという感じで、ずっと話し合いもしていました。結果的に法律婚を決めたのは、事実婚では受けられない公的サービスがあるし、「事実婚みたいな形で法律婚すればいい」と思えたから。2人は家制度の中での関係性ではなく、個と個で結び付いている結婚だとお互いや周囲が承知していればいいか、と。
剛速球「育休取らないとかありえない」
料理が好きで得意ですが、「胃袋をつかむ、みたいなのが嫌いだから料理しないよ」とか、「子どもを産むとしたら体がしんどいのは私なんだから、育休も取らないとかありえないよ」とか、夫にいろんな話を剛速球で投げつけてしまいます。でも、1つずつ投げ出さず聞いてくれて、素直に疑問を投げかけてくれるのはすごくありがたいです。
私自身は、年の離れた兄と姉2人の4人きょうだいの末っ子で、両親はほったらかしでした。小学生のころから、プールや野山に1人で行ったりしていました。お笑いをやると伝えたとき、父に「事後報告には慣れてる」と言われて、あ、私っていつもそうだったのかと思いました。
女性の社会状況や体のこと、伝えたい
両親は、父がお風呂に入ったら母が下着まで用意しておくような関係。母は育児や介護で大変な思いをしていたけれど、私は「なんで自分の意見を言わないの」といらつくこともありました。同じくらい父にも「えらそうにしてんじゃないよ」と思ってましたけど。そんな父ですが、娘3人には自立しなくてはと常々言い、教育熱心で、みんな4年制大学に進学しました。
自分自身の経験から、女性が置かれた社会状況や体のことなどを話したり書いたりしています。「ジェンダーについて発信している」とか言われるとむずがゆさも感じますが、今は1人でも着実に届けられたらという気持ちです。
バービー
本名・笹森花菜。1984年、北海道生まれ。2007年お笑いコンビ「フォーリンラブ」結成。下着ブランドとのコラボや、出身地・栗山町の地域おこし、YouTubeチャンネル「バービーちゃんねる」での発信など幅広く活躍。初のエッセーに「本音の置き場所」(講談社)。
コメント