停電対策、ペットボトル+懐中電灯で「簡単ランタン」 火を使わないから安心

, (2018年9月11日付 東京新聞朝刊)
 6日未明に北海道で起きた地震で、道内のほぼ全域が停電した。電気が使えないと明かりだけでなく、災害情報を得るためのスマートフォンの電源も得られず不安は大きくなる。停電をどう乗り切ったらいいのか、専門家に聞いた。

小さい場合はコップを使って

 警視庁は、ホームページでペットボトルを利用した「簡単ランタン」の作り方を公開している。ラベルを外したペットボトルの中に水を入れ、その下から懐中電灯を当てるだけ。懐中電灯が小さい場合は、コップの中に懐中電灯を入れてその上にペットボトルを載せるといい。光が乱反射して周囲を明るく照らすことができる。火を使わないため安心だ。

「簡単ランタン」の作り方

 一方で、総務省消防庁によると、台風21号後の関西の停電地域では、ろうそくの火が原因とみられる火災が少なくとも3件起きている。ろうそくなどの裸火は他の物に燃え移る可能性があるため、屋内ではLED懐中電灯などを使うように呼び掛けている。

スマホの節電テクニックは?

 情報収集に欠かせないスマホだが、電池を長持ちさせるにはどうしたらいいか。ITジャーナリストの三上洋さんによると、スマホの電池を最も消耗するのは液晶画面。設定画面から明るさをできるだけ暗い設定にすることが重要だという。「省電力モード」や「低電力モード」など、電池の消費を抑える機能が付いている機種もある。

 LINE(ライン)などのアプリは、メッセージが届いたことを知らせる「通知」機能を設定画面でオフにすると節電になる。

 圏外や電波が弱い時、スマホは自動的に基地局を探そうとするため、電池を消耗しやすい。通信環境が悪い状況では、通信機能をオフにする「機内モード」にするか電源を切る方がいいという。

避難前にブレーカーを落とす

 停電から復旧し、通電再開時の「通電火災」には注意が必要だ。

 1995年の阪神大震災で大きな被害を受けた神戸市消防局の担当者によると、電化製品のコードが激しい揺れで損傷した状態で通電するとショートして出火する可能性があるという。避難して無人になっていてすぐに気付かず、火が広がる恐れもある。

 「対策は、避難前にブレーカーを切ることしかない。近づけない時、場所が分からない時は、個別にコンセントを抜いてほしい」と担当者。地震を感知すると自動的にブレーカーを落とす「感震ブレーカー」もある。ホームセンターなどで3000円程度で買えるものもあり、同局の担当者は「事前の対策もしてほしい」と呼び掛ける。