川崎殺傷事件から3カ月  スクールバスが再開 被害児童は全員退院

安田栄治 (2019年8月28日付 東京新聞朝刊を一部編集)
 川崎市多摩区でスクールバスを待っていた私立カリタス小学校の児童ら20人が殺傷された事件は、28日で発生から3カ月を迎える。けがを負い入院が続く児童など、1学期末時点で数人が登校できずにいたが、カリタス学園法人本部の高松広明事務局長は27日、本紙の取材に「全員がすでに退院した」と明らかにした。
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事件現場では金網のフェンスにカリタス学園からのお礼のメッセージが掲げられ、7月以降は献花などが取り除かれている=多摩区登戸新町で

「心的ストレス、体のまひ残る児童今も」

 同校は9月2日からの2学期に備えて27日に特別授業を実施。児童の登校に合わせ、事件後に取りやめていた、スクールバスによるJR南武線登戸駅前などからの送迎も同日、再開した。

 バス乗り場は小田急線向ケ丘遊園駅前を新たに加え同線・JR南武線登戸駅前との2カ所に。高松さんは「事件前の運行を実施するには1カ所では難しいので、JR線と小田急線の利用者を分けてバス乗り場を2カ所にした」と説明した。

 高松さんは「今も心的ストレスを抱えたり、体にまひが残っている児童がいる。個別のケアにも気を配りたい」と説明。2学期から市のカウンセラー派遣はなくなるが、同校は新たに1人採用。非常勤2人、同学園の2人とで2人常駐態勢を保つという。

毎月28日は多摩区全域で「見守りの日」

 事件は5月28日午前7時40分ごろ、多摩区登戸新町の路上で発生。岩崎隆一容疑者(51)が包丁で同小児童や保護者を次々切り付け、六年栗林華子さん(11)と外務省職員小山(おやま)智史さん(39)が死亡。18人が重軽傷を負った。 

 毎月28日は事件後に区などが定めた「多摩区子ども見守りの日」。多摩署は50人態勢で、2学期が始まっている区内の全小学校の通学路などで児童の登下校を見守る。区も「防犯パトロール中」というステッカーを公用車や郵便配達車などに張って運行し、見守りの目を増やして犯罪抑止につなげる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年8月28日

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