〈えほん〉「バスザウルス」著・五十嵐大介

(2021年2月5日付 東京新聞朝刊)
写真

(長壁綾子撮影)

 森の中で、何十年もうち捨てられていたバスは、ある日、手、足、しっぽが生え、バスザウルスになった。バスザウルスはゆっくりと街へ向かって歩き出す。

 バス停で休憩していると、おばあさんが乗り込んできた。それからバスザウルスは毎日、決まった時間におばあさんを乗せる。増えた乗客たちも乗せて、ミシリ、カタリとバスザウルスは夜の町を歩き回る。だが、ある晩からおばあさんは現れなくなって…。

 人気漫画家の著者が描く静かな夜のお話。少し不気味だけれど、優しく不思議な世界に引き込まれる。

 1760円。亜紀書房=電話03(5280)0261。

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