NPOとタッグ!前橋市がフードバンク事業

川田篤志 (2017年6月2日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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支援者宅への配達に向け、食品を車に運ぶ関係者ら=前橋市で

 群馬県の前橋市は6月1日、企業や市民から無償提供された食品を、食糧支援が必要な生活困窮者らに無料で渡すフードバンク事業を始めた。民間の「フードバンク北関東」を運営するNPO法人三松(さんしょう)会(館林市)に事業委託し、人件費や賃貸料などを市が負担する。同会などによると、自治体による全面委託は全国初で、関係者は「事業継続に苦しむ民間団体は多く、全国のモデルになれば」と期待する。

余った食料を必要な人に

 自治体による同事業は県内では太田市に次いで2例目だが、太田は直営方式を採用している。農林水産省によると、フードバンクを行うのは全国で77団体(1月末時点)。民間が中心で自治体は一部委託・補助にとどまる。

 フードバンクは米国発祥の社会貢献活動で、家庭で余った食料や規格外などで捨てられる食品を企業から引き取り、必要な人に配る仕組み。前橋市は民間のノウハウを生かし、食のセーフティーネットを確保するとともに食品廃棄の抑制を目指す。本年度の委託費は約870万円。

行政と民間のいいとこ取り

 自治体の全面委託の利点について、国内でフードバンクの普及を進める公益財団法人セカンドハーベスト・ジャパン・アライアンスの田中入馬さんは「生活困窮者を把握しているのは行政。誰に配れば良いか分からず需給バランスが崩れる民間団体は多く、マッチングできるのは大きい」と語る。財政支援も事業継続の後押しになり、「官民連携のモデルとして全国に広がれば」と期待する。

 この日は活動拠点となる前橋市大手町二の事業所の開所式があった。山本龍市長は「今日はスタート。市民を支える仕組みにしていきたい」と抱負を述べた。三松会の塚田一晃理事長は「市民が市民を助ける意識が広がれば」と意気込んだ。

子ども食堂も支援します

 食料支援の対象は、日々の食事に困る市内在住の生活困窮者(生活保護受給者は除く)。子ども食堂のような活動を行う団体も含む。希望者は市役所内の「まえばし生活自立相談センター」に申請する。支援期間は原則3カ月。

 1日時点で10世帯、1団体が申請を済ませ、月2回ほど食品が配布される。市は年間200件ほどの利用を見込んでいる。

 食品は開設前に引き続き提供を求めている。米や缶詰、レトルト食品、調味料など。いずれも未開封で賞味期限が1カ月以上残っているものが対象。また支援者宅への食品配達や郵送作業、協力企業への食品回収を手伝うボランティアも募っている。

 どちらも問い合わせはフードバンクまえばし=電027(226)1591=へ。事業所の開所時間は平日午前9時~午後5時。

 フードバンクまえばしの公式サイトはこちら

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