「殴る蹴るは日常。この世の地獄だった」児童養護施設の元入所者、虐待被害を埼玉県に通告

近藤統義 (2020年12月25日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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施設内で虐待を受けたと訴える男性=県庁で

 埼玉県北部にある児童養護施設で幹部職員から虐待を受けたとして、元入所者の男性(22)が24日、埼玉県庁で記者会見し、県に虐待の調査や改善などを求めて通告したと明らかにした。男性は他の複数の子どもへの虐待も目撃したといい、刑事告発や民事提訴も視野に入れているという。

「病院で付き添い職員が虚偽説明」

 男性は施設に2~18歳まで入所。男性によると、小学生のころ、幹部職員に突き飛ばされて額に傷を負ったり、正座する膝の上に足を乗せて体重をかけられたりした。

 額の傷の治療で訪れた病院では、付き添いの職員に「遊んでいて傷ができた」などと虚偽の説明をされたと主張。男性は別の入所者が蹴られたり、両耳をつかんで持ち上げられたりしているのも見たという。

「虐待を見抜けない行政の責任も」

 男性は「殴る蹴るは日常で、この世の地獄だった。子どもも他の職員も声を上げられない状況だった」と当時を振り返った。男性を支援する市民団体「施設内虐待を許さない会」の竹中勝美事務局長は「虐待を見抜けない行政側の責任も重い」と話した。

 施設長は取材に「通告があれば、しかるべく調査が今後入ると思うが、まだ何も分からない」と回答。埼玉県は各施設への毎年の監査で虐待の有無を確認しているが、担当者は「個別の事案については答えられない」としている。 

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