子どもの負担和らげて 「司法面接」で寄り添う「付添犬」を描いた物語を横浜のNPOが書籍化
子への聴取回数を減らす「司法面接」 2019年度は1600件超
子どもへの被害聴取は、警察や児相が別々に実施すると、何回もつらい経験を思い出させるため心理的負担が重くなる。最高検などは2015年、代表者が聞き取るなどして聴取回数を減らす司法面接の実施について、全国の地検などに通知。2019年度は全国で1600件超が実施された。
つなっぐは被害児童の支援をワンストップで担うことを目的に2019年に設立。司法面接と、その際に子どもに寄り添って心理的負担を和らげる「付添犬」の普及に取り組む。付添犬は米国の「コートハウスドッグ」をモデルとし、つなっぐによると、司法面接の他に関東や中部地方の裁判で、全国に9匹いる付添犬が活動した実績がある。
付添犬が出廷するまでの弁護士らの体験、被害児童の話が基に
出版した書籍は「いっしょにいるよ-子どもと裁判に出た犬 フランとハッシュの物語」(小学館)で、四六判224ページ。2020年の刑事裁判で、付添犬が全国で初めて出廷するまでの弁護士、医師、獣医師、当局者らとの調整、実現までの曲折を描いた。飛田さんは「私自身の体験と被害児童に聞いた話を基にしている」と話す。
つなっぐが関わる司法面接は現在、県立こども医療センター(横浜市南区)の面談室を借りて実施している。面接件数が増えており、専用の部屋を設けようとクラウドファンディングサイト「シンカブル」で広く資金を募った。同センター敷地内の空き建物を改装し、ぬくもりある雰囲気にしたいという。専用の面接室を造るのは、他の来院者らに会わなくて済むというプライバシーへの配慮もある。
県議会では付添犬に関する質疑がされたことがあり、県もつなっぐの活動を支援している。飛田さんは「県議会に応援してもらって助かっている」と話した。敷田議長は「皆さんの活動は多くの注目を集め、応援の輪が広がっている」とたたえた。
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