外出自粛、ベランダで食事やキャンプ 近隣トラブルや子どもの転落…注意点は?

(2020年7月1日付 東京新聞朝刊)
 外出自粛の影響で、自宅のベランダで食事やキャンプ気分を味わう「ベランピング」を楽しむ人もいるのでは。ただ、マンションの場合、ベランダは万一の時には避難経路にもなるため、「共用部分」にあたり、禁止事項も少なくない。子どもの転落事故も全国で起きており、注意点を確認したい。

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マンションなら「共用部分」 利用規約確認を

 マンションには、各居室など契約者やその家族らが専用で利用できる「専有部分」と、エントランスホールやエレベーターなど、そのマンションに住む他の人も利用する可能性のある「共用部分」がある。

 不動産コンサルタント会社「さくら事務所」(東京)の大浦智志さんによると、ベランダは分譲、賃貸ともに共用部分。火事などの時、隣の部屋につながる「隔て板」を突き破ったり、ベランダの床に備え付けられているはしごの「避難ハッチ」を使ったりして避難経路になるためだ。

 このため各マンションでは、管理規約でベランダを利用する際の注意事項を具体的に規定。設置が禁じられているものや行為があり、確認することが必要だ。

避難経路確保と防火目的 物置設置やBBQ禁止

 「ライオンズマンション」で知られる大京(東京)の藤田功記さんによると、通常、設置が禁じられているのが、物置やペットの飼育小屋、多量の土砂を含んだ花壇など。緊急時の避難経路を確保するため、消防法でもベランダには避難の妨げになる物を置いてはならないと定めている。

 また、バーベキューや花火などの火気を扱うことは火事になる恐れがあり、通常禁じられている。観葉植物のバスケットや、布団をベランダの外側に掛けることも落下する恐れがあり、禁じられているケースがほとんどだ。

 タバコをベランダで吸う人もいるが、煙が流れてトラブルになることもあり、最近は禁止しているマンションが多い。ほかに、掃除やベランダ園芸の水やりなどで水を使うケースもあるが、ベランダの排水溝は雨水を流すことを前提にしており、大量の水を流すことが禁じられていることもあるので、注意したい。

普段は住人に「専用使用権」でもマナーは大切に

 ただ、通常時は居住者に「専用使用権」があり、部屋の居住者が独占的に使えるようになっている。椅子やテーブル、小型の鉢植えなどを置いている家庭もあるかもしれないが、すぐに移動させることができるかどうかを確認しよう。

 鉢植えでも、動物や植物由来の有機肥料を使うとにおいが広がったり、虫やネズミが寄ってきたりする可能性がある。においが少ない化成肥料を使うことも手だ。

 藤田さんは、「ベランダは近隣とのトラブルになりやすくマナーを守ることが重要」と話す。

6~8月に多い子どもの転落事故 足場になる物置かないで

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 ベランダから子どもが転落して亡くなる事故が後を絶たない。先月16日、横浜市のマンション8階のベランダから5歳女児が転落して死亡。神奈川県警山手署によるとベランダの手すりは高さ約1.2メートルで、近くには座面までの高さ約40センチの椅子が置いてあった。母親は生後3カ月の弟を寝かしつけてうとうとし、女児の転落に「気付かなかった」と話しているいう。

 先月8日には福岡県久留米市のマンションの18階から、4歳女児が転落して死亡。警察によると両親は不在で、女児はベランダの物干し台に備わっていたタオル掛けを土台に、手すりを乗り越えたとみられる。

 消費者庁によると、14歳以下の子どもが窓やベランダから転落して死亡する事故は2010年から2014年までに92件起きている。6~8月に多く、年齢では0~4歳が43件と最多。4歳の子が椅子とおもちゃ箱を重ねてよじ登り、柵を乗り越え9階から転落した例もあった。

 今年はコロナ対策で定期的な換気が必要となり窓を開ける機会が増える。担当者は「小さい子を一人でベランダ付近で遊ばせないようにし、足掛かりになるものを設置しないように」と呼び掛けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月1日

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