オンライン教材の効果は? 前橋市教委がアンケート 保護者「分からない」47% 教諭「説明に膨大な時間要した」
市川勘太郎 (2020年11月5日付 東京新聞朝刊)
前橋市教育委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大に応じた学習環境の整備が必要な中、6~8月に市立中学校の22校の3年生を対象に実施したオンライン教材の効果を確認する実証実験について、保護者と教諭に対するアンケート結果をまとめた。保護者のうち教材が役に立ったか「分からない」との回答が47%と最多を占め、教諭からも厳しい意見が目立ち、課題が浮き上がった。
保護者1464人、22校の教諭が回答
実証実験は生徒にオンライン教材「すらら」のIDを配布し、自宅で勉強できるようにした。自宅にインターネット環境や教材に対応する端末がない世帯には、タブレット端末を配布。市が教材の月額利用費や端末の通信費は負担した。
アンケートは9月、実験の対象となった生徒約2600人の保護者にネットで実施し、1464人から有効回答を得た。22校の教諭の意見も聞いた。
それによると、保護者に「『すらら』は休校中の学習の補助教材として役立ったか」と聞くと、「分からない」が最多となり、「役に立った」の29%が次ぎ、「役に立たなかった」も24%いた。
保護者から「学習している際に他のサイトにアクセスできないようにしてほしい」「端末操作の得意・不得意で学習に差が生じる」などの意見があった。
「生徒の学習状況を管理できない」
教諭に「教材が学習の補充に役立ったか」を聞くと、「役に立った」が37%、「変わらない」が36%とほぼ並んだ。「役に立たなかった」も27%いた。
教諭から「生徒全員に使い方を説明するのに膨大な時間を要した」や「教員にもIDが配布されないと生徒の学習状況を管理できない」などの意見があった。
前橋市教委総務課は「児童生徒1人に1台ずつ学習用端末を配備するため、どの教材を導入するか、端末の管理などについて、結果を踏まえて検証する」と話している。
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