通園バスの警報ブザー設置を義務化 置き去り防止で政府が緊急対策
坂田奈央 (2022年9月30日付 東京新聞朝刊)
政府は29日、静岡県牧之原市で起きた通園バス女児置き去り死亡事件を受け、バス内への警報ブザーなどの設置を義務化することを決めた。小倉将信こども政策担当相が同日開かれた関係府省会議で表明した。関連経費は、10月3日召集の臨時国会に提出する2022年度第二次補正予算案へ盛り込む。
対象施設は約1万 確認作業マニュアルも
義務化は再発防止に向け政府が10月中にまとめる緊急対策の柱。幼稚園や保育所、認定こども園に加え、特別支援学校の幼稚部、認可外保育施設も含めて約1万の施設が対象になる。車内に残された幼児を検知して警報を発したり、車内後方に点検スイッチを取り付けることで園児らの見落としを防いだりする安全装置の設置を想定している。
政府は年内に安全装置の仕様のガイドラインや、現場の職員らによる確認作業を徹底する安全マニュアルを作成する。
関係府省会議には有識者も出席し、安全教育の充実を訴えた。前田正子甲南大教授は「人が代わるとその知識が継承されず、同じような事故が繰り返される」と指摘。点検項目を分かりやすく示したチェックシートを導入している清瀬ゆりかご幼稚園(東京都清瀬市)の関係者は「ヒューマンエラーの連鎖を止めるのは人の力」と述べ、人材への投資などを求めた。
小倉氏は会議後の記者会見で「デジタル技術の活用と同時に、人による確認もしっかりできる複層的な対策が求められている」と強調。緊急対策とは別に、4~5歳児に対する保育士らの配置基準引き上げや、処遇改善の必要性にも言及した。
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