新しい木のおもちゃを作ろう 檜原村・桜美林大・林業会社が連携
昆野夏子 (2023年6月6日付 東京新聞朝刊)
東京都檜原村と村内の林業会社「東京チェンソーズ」、桜美林大(本部・町田市)は5日、産官学連携で地場産材を活用し、おもちゃを開発する「子どもの好木心(こうきしん)『発見・発掘』プロジェクト」の協定を結んだ。地域産業としての林業の課題解決に向け、ぬくもりある木のおもちゃ作りを始める。
木を無駄なく「1本まるごと」使って
檜原村は面積の約93%が山林で、かつては林業や炭焼きが主産業だったが、安価な外国産材の輸入や林業者の高齢化などで衰退。資源を生かした新たな産業の育成が課題となっている。
村はこれまでに「木のおもちゃ」に着目し、地場産材を使ったおもちゃを新たな産業とし、観光にも生かす施策を展開。2018年に「トイ・ビレッジ構想」を掲げ、2019年に「おもちゃ工房」、2021年に「檜原 森のおもちゃ美術館」を開設し、林業活性化や観光交流人口の創出に努めている。
今回の協定では、桜美林大芸術文化学群の3年生13人が地場産材を使い、新しい木のおもちゃの開発に乗り出す。東京チェンソーズが掲げる木を無駄なく使う「1本まるごと」の理念を合言葉に、木製品にはあまり使われない根や枝、割れた角材も活用。木の個性を生かし、資源を無駄にしない製品開発に挑む。
桜美林大町田キャンパスで5日にあった締結式で、同大の小池一夫理事長は「木のおもちゃは教育の原点に近い。(学生には)学校で学んだ知識や教養をさらに豊かにしてほしい」。吉本昂二村長は「地域の財産である森林資源を生かし、三者で地域活性化につなげたい」とあいさつ。東京チェンソーズの青木亮輔社長は「森林資源を守るためにも、若い学生の柔軟な発想に期待している。市場ニーズに応じたデザインや機能性を持った、ぬくもりあるおもちゃを作ってほしい」と話した。
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