「オーガニック給食の日」文化学園大杉並中高で高校生が企画、中学生390人に提供
瀬野由香 (2024年1月30日付 東京新聞朝刊)
文化学園大杉並中学・高校(杉並区)の高校生が「オーガニック給食の日」を企画し、給食がある同校の中学生約390人に有機米や有機野菜を使った給食が提供された。中学生らは生産者に思いをはせながら食事を堪能した。
生産者のメッセージ動画を見ながら
企画したのは課外活動で持続可能な農業について学ぶ高校2年の女子生徒5人。学んだことを実際の生活に生かすことを考える中で、自校の給食に取り入れるアイデアが浮かび、担当の染谷昌亮(よしあき)教諭が元々つながりのあったNPO法人「こどもと農がつながる給食だんだん」のコーディネーターに協力を依頼した。その後、食材流通業者や調理委託会社などと調整するなどして実現した。
25日にあった「オーガニック給食の日」の献立は白米、みそ汁、サバの唐揚げ、サツマイモ、ミカン。しょうゆや唐揚げに使う小麦粉を含め、サバ以外、ほぼ全てに有機食材が使われた。
給食時間に合わせて生産者のメッセージ動画も各教室に流され、中学1年生の松本心(こころ)さんは「生産者の映像を見ながら食べたので、いつもより味わって食べることができた」と笑顔。企画した高校2年の久保田乃々子(ののこ)さんは「食べることの重要性を感じてもらえたのでは」と手応えを語った。
食材調達先の農家を冬休みに訪問
企画した生徒たちは食材を調達する茨城、愛知、福岡、熊本の生産者を冬休みに実際に訪ねて話を聞いたという。南陽菜(はるな)さんは「食べる人に健康になってほしいという生産者の情熱を感じた。妥協せずに野菜づくりをしているところがすごいと思った」と感想を話した。
今回の取り組みには、有機農産物の試験導入を支援する農林水産省の「有機農業推進総合対策緊急事業」を活用。300万円の補助金を得て、生産者訪問の旅費や、有機食材を使うことで高くなった食材費に充てた。
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