川口いじめ、発信者の情報を開示 被害者側は刑事告訴など準備

森雅貴 (2019年1月8日付 東京新聞朝刊)
 埼玉県川口市の市立中学校でいじめに遭った元男子生徒(16)が、インターネット上の「掲示板」に実名を書き込まれて中傷されたとして、プロバイダー(ネット接続業者)3社に求めていた発信者の情報が開示されたことが、関係者への取材で分かった。東京地裁が開示命令を出したことを受けた。
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投稿者特定への主な流れ

実名など書き込んだ発信者の住所や氏名などを開示

 元生徒側は今後、プライバシーを侵害されたなどとして、発信者への刑事告訴や損害賠償請求訴訟の準備を進める。

 関係者によると、開示されたのは、元生徒の実名やあだ名をさらした4件の書き込みについて、プロバイダーとの契約者の住所や氏名、メールアドレスの一部の3点。

 元生徒が発信者の情報の開示をプロバイダーに求めた訴訟で、東京地裁は昨年12月10日の判決で、プライバシーの侵害に当たると認定し、4件の書き込みについて氏名や住所などの開示を命じた。

被害者の母「ネットいじめの抑止になれば」

 元生徒は、2015年の中学入学後、サッカー部内で仲間外れや暴力などを受け、2年生の秋には自殺未遂を起こした。17年10月ごろ、元生徒のいじめが、学校名入りでネット掲示板の話題(スレッド)に設定され、書き込みが過熱。元生徒や母親を「虚言癖がある」「モンスターペアレンツ」などと中傷し、元生徒の実名やあだ名をさらす匿名の書き込みが約2800件相次いだ。

 元生徒の母親は、本紙の取材に「匿名で事実と異なるうわさを書き込んだり、実名までさらしたりするのは悪質で許せない。(発信者の情報の開示が)ネットいじめの抑止になることを親子ともども望んでいる」と話した。 

※8日公開の記事で、東京地裁の開示命令を受けて開示されたのは「5点」としましたが、「3点」の誤りだったため10日、見出しと記事を訂正しました。戸籍謄本と住民票は代理人弁護士が別の手続きで入手したものでした。
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