20m逃げて! 市原市の「体験型」防犯教室 登下校の見守り担当が学び、伝える

黒籔香織 (2019年7月1日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 子どもが事件の被害に遭わないよう、地域の大人たちが危険を察知する知識や犯罪から身を守る方法を直接、教える防犯教室が千葉県市原市の国分寺台地区で実施されている。登下校時の見守り活動を続けている住民らが、防犯の専門家からノウハウを学び、伝えることで地域全体で子どもを守る意識を根付かせようという取り組みだ。
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腕をつかまれた時の振りほどき方について児童に指導する防犯ボランティア=市原市で

防犯ボランティアの養成講座を受けてノウハウ伝授

 「昨年の復習です。どんな人に気を付けたらいいのかな?」

 6月11日、市原市立国分寺台西小学校で開かれた体験型の防犯教室。講師を務めたNPO法人「体験型安全教育支援機構」(東京都文京区)代表理事の清永奈穂さん(48)が問い掛けると、昨年も指導を受けた2年生の91人からは「話し掛けてくる人」「ついてくる人」と答えが返ってきた。

 この日は、事前に防犯ボランティアの養成講座を受けた地域の民生児童委員ら6人も講師になった。講座は、国分寺台地区社会福祉協議会などが今年から開いており、これまで町内会長や見守りボランティアら19人が受講した。先生が異動したり、学校のやり方が変わったりしても、地域で子どもたちに防犯知識を伝え続ける体制を目指す。

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子どもが身を守る方法

子どもが自分で身を守る合言葉「はちみつじまん」

 防犯教室ではボランティアらが、連れ去られそうになった時、自分で身を守る術を伝授した。児童たちは腕をつかまれたら強く左右に振って振りほどき、相手が追い掛けるのを諦めるとされる20メートルの距離を全速力で逃げた。

 怪しい人物の行動を見極める「は」なしかける、「ち」かづいてくる、じっと「み」つめてくる、「つ」いてくる、「じ」っと「ま」っている、「ん?」と注意、から取った「はちみつじまん」の合言葉も教わった。

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養成講座で防犯について学ぶボランティア

「あなたの命は大事と思う大人がいる」と伝えたい

 2年の花咲風香さん(7つ)は「自分の命をしっかり守りたいと思った」。教室を見学した保護者の石井志穂さん(44)は「テレビでニュースを見ながら、息子が危ない人に遭った時に逃げる方法について言っていた。勉強したことが自信になっている」と話していた。講師を務めたボランティアの鶴田英子さん(68)は「教室の回数を重ねることで知識が定着すると思う」と手応えを述べた。

 同校では2016年から支援機構による防犯教室を開いている。教室の翌日、男の人につけられていると感づいた女子児童が、防犯ブザーを鳴らして助けを求めるなど効果が現れているという。

 ボランティアは今月9日、清永さんと共に地区内にある他の2つの小学校に出向いて教室を開く。国分寺台地区社協の船山慶子会長(65)は「防犯スキルを教えるだけでなく、『あなたの命は大事と思っている人が地域にいる』と子どもたちに伝えられる取り組みにしたい」と訴える。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年7月1日

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