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プールでも熱中症対策を! 室内でも死亡例…休憩と水分補給を

(2018年7月24日付 東京新聞朝刊)
 記録的な猛暑が続く中、暑さをしのぐために訪れるプールでも熱中症になり救急搬送される例が相次いでいる。湿度の高い室内でも死亡した例がある。肌を露出するプールでは強い日差しの影響を受けやすく、体力も消耗しがちなためだ。日差しを避け、休憩や水分補給を欠かさないなどの対策が必要だ。
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照り付ける日差しで、水温も上がっているプール。水分をこまめにとるなど熱中症対策が重要だ=名古屋市港区で

水温36度、プールサイドのコンクリート表面は50度にも 

 名古屋市港区のプール「サンビーチ日光川」で15、16の両日、それぞれ30代と40代の女性が熱中症になり、救急搬送された。いずれも子どもたちと遊んでいる最中に頭痛や嘔吐などの症状に襲われた。名古屋市の最高気温は15日が36.9度、16日が38度。顧問の竹下勝利さんによると、プールの外気温の最高はそれぞれ39度、39.7度だった。
 
 水温は最高36度まで上昇。プールサイドのコンクリートや木製デッキの表面の温度も50度近くだった。竹下さんは「酷暑の中で、ぬるま湯につかるようなもの」と指摘。帽子をかぶり、日陰で簡易テントを使い休憩することを勧める。
 
 名古屋大病院救急科の沼口敦医師によると、日光に当たることで体温は上がり、特に子どもは大人より皮膚も皮下脂肪も薄いため日焼けのダメージが大きく、熱中症になりやすい。プールでは日焼け止めクリームだけで全身を守ることは難しく、水はけがよい長袖の「ラッシュガード」が紫外線対策には有効だという。

室内プールの水泳教室で死亡例

 室内プールで泳いでいて熱中症になり、死亡した例も。2013年8月、大阪市の国本考太さん=当時(24)=は障害者向けの水泳教室に参加、熱中症になり亡くなった。プールは室温36度、水温は約33度だった。知的障害がある考太さんはコーチの指示で50メートルプールでクロールを10往復、バタフライを7往復し、プールから上がった後に意識を失い、救急搬送された。病院に着いた時、体温は42度近くまで上がっていた。練習中に水分補給は行っていなかったという。練習を見ていた母親(59)は「立っているだけで汗が出るくらい蒸し暑かった」と振り返る。「練習メニューがきつすぎた。指導者には体力に合った練習メニューを考えてほしい」と話す。
 
 桐蔭横浜大の井口成明准教授(安全教育学)によると、大会用のプールは水温28度以下が望ましいとされている。「体重60キロの人がクロールで1時間泳ぐと650キロカロリー以上を消費するとされ、水泳は体力を使う。気温プラス水温が65度を超える場合は特に注意が必要」と話す。
 
 中高一貫校の東京大教育学部付属中等教育学校の水泳部監督でもある井口准教授は屋外プールで指導しているが、選手にはスタート台付近にペットボトルを置かせ、好きな時に水分補給させている。クーラーボックスに氷を常備し、10~30分に1回氷嚢(のう)で体を冷やしたり、シャワーを浴びさせたりして、日焼けでほてった全身をクールダウンさせるという。また、井口准教授は「更衣室も防犯上、窓などを締め切りにすることが多いため室温が45度ほどになることがある。扇風機やエアコンの設置が必要」だと指摘する。

水中は体温が下がりにくい 

 「プールに入ると体が冷えると思われがちだが、普段とは違う体温調整が行われて、体内に熱がこもりやすくなることもある」。沼口医師は指摘する。
 
 沼口医師によると、水に入って体の表面の温度が下がると毛細血管が収縮し、熱を運ぶ血液の量が減少。体温の高い体の中心部から体外に熱が発散されにくくなる。湿度が高いと汗をかいても蒸発しないため、体温は下がりにくい。
 
 沼口医師は「水中とはいえ、運動をしていれば体内では熱が作られ続けることを忘れてはいけない。体内の過度な熱の発生を抑えるために、こまめに休憩し、水分や塩分を補給してほしい」と話す。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年7月24日]

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