同性カップルを通して家族を描く映画「his」きょう公開 今泉監督「”理解”よりも”そういう考えもあるんだね”と」

(2020年1月18日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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「his」の一場面。主演の宮沢氷魚(左)と藤原季節(右)(ⓒ2020 映画「his」製作委員会)

 同性カップルの恋愛や生き方を通して、LGBTなど性的少数者を取り巻く環境、離婚や子育てを巡る「家族」の問題を描いた映画「his(ヒズ)」が24日、全国で公開される。今泉力哉監督(38)は「当事者が置かれている厳しさを改めて知った。『理解して』というよりは、作品を見て『そういう考えもあるんだね』ぐらいに感じてもらえたら」と話す。

男性の家事育児への無理解、ひとり親の厳しさも 

 物語は、周囲にゲイだと知られることを恐れ、田舎で一人暮らしをする迅(しゅん)(宮沢氷魚(ひお)さん)の元に、かつて交際していた恋人で男性の渚(なぎさ)(藤原季節さん)が6歳の娘を連れて現れる。

 渚は女性と結婚し、娘をもうけたが、妻と離婚協議中…。同性愛の話だけでなく、家事育児を男性がやることへの世間の無理解、シングルマザーが直面する厳しさなども丁寧に描いた。

 今泉監督は「脚本のアサダアツシさんの思いもあり、悪人がいないように意識した。いろんな人の目線で見ることができると思う」と話す。

「これが一つの型」とならないように

 これまで「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」など恋愛映画を手掛けてきた。同性愛については「普通に存在している方がいい」と作品のメインテーマにするのは避けてきたが、今回は真正面から取り組んだ。男女の恋愛でも起きるような葛藤を描きつつ、「言葉遣いや、これが一つの型、とならないように注意した」と言う。

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今泉力哉監督

 今泉監督は「同性愛を理解できないという人もいるが、それは生きてきた環境などで仕方ない部分もあると思う」とし、「日常の近くにいそうな人を描く映画を通じて、同性愛について初めて知ったり、少しでも考えの選択肢が広がったりすればいい」と語る。上映館などは公式サイトで。

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