「子どものインフルエンザワクチン接種、一律に遅らせるのは避けるべき」小児科医会が見解公表 高齢者優先の厚労省に異論

藤川大樹 (2020年9月19日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 日本小児科医会は、今季のインフルエンザワクチン接種について「(乳幼児や小学生ら)小児への接種時期を一律に遅らせることは避けるべきだ」との見解を公表した。厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念される中、重症化リスクが高い高齢者のワクチン接種を優先し、10月1日から始める方針を示している。高齢者以外は10月26日まで待つように求める事務連絡を出したが、これに異を唱えた形だ。

厚労省の要請 医療機関は断りにくいが…

 事務連絡に法的拘束力はないものの、厚労省の要請を医療機関は断りにくい。しかし小児科医会は、小児のワクチン接種開始時期をそれぞれの医療機関が判断すべきだと訴える。

 小児科の開業医や勤務医らでつくるNPO法人「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」も、小児のワクチン接種を例年通り始めるよう呼び掛ける声明を出した。

「インフルは重症になることがある」と警鐘

 同会の菅谷明則理事長は「小児の多くは新型コロナに感染しても軽症で済むが、インフルエンザは重症になることがある」と指摘。「先送りすると、接種前に流行が始まる恐れがある。重症化する症例が増えるリスクなどが検討されていない」と警鐘を鳴らす。同会によると、日本とほぼ同時期にインフルエンザが流行する米国では、小児科学会が10月中の接種完了を勧めている。

 厚労省の担当者は「小児には早く接種したいという現場の声は承知している。(26日まで)絶対に打ってはいけないわけではない。協力の範囲で呼び掛けを行っている」と話した。

 厚労省は今年、過去5年間で最大量の6300万人分のインフルエンザワクチンの供給を予定するが、一度には供給できないため、高齢者、子どもや妊婦の順に接種をするよう求めている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年9月19日

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