子どもの「ヘルパンギーナ」都内で急増、4年ぶり警報レベル コロナで学級閉鎖も
渡辺真由子、川上義則 (2023年6月23日付 東京新聞朝刊)
東京都内の感染状況を分析する都感染症対策連絡会議が22日開かれ、都内の学校で新型コロナウイルスの感染による学級閉鎖があったことが報告された。都福祉保健局によると、学級閉鎖があったのは6月12日から18日の間で小中高校7校。感染が確認されたのは計52人だった。このうち、10人程度の集団で発生したケースもあったという。子どもを中心に夏に流行する傾向がある「ヘルパンギーナ」や風邪に似た「RSウイルス感染症」の感染症も増加し、ヘルパンギーナの流行が東京都の警報レベルを超えたと報告された。警報レベルとなったのは2019年8月以来、4年ぶり。
コロナはワクチン接種率の低さが原因か
新型コロナについて、会議のメンバーで東京感染症対策センターの賀来満夫所長は報道陣の取材に「小中高校生は上の年代に比べてワクチン接種率が比較的低く、感染しやすいことが原因になっていると考えられる」と説明した。
一方、子どもに広がる感染症では、ヘルパンギーナのほか、RSウイルス感染症も7週連続で都内の患者数が増加している。
都によると、ヘルパンギーナは一定点当たりの1週間の患者数が6.09となり、都の警報レベル開始基準値(6.0)を超えた。かかると発熱に続き、口の中に水疱(すいほう)性の発疹(はっしん)が出てくる。例年なら5月ごろから少しずつ増えて7月にピークを迎えるが、今年は5月中旬ごろから感染が急激に拡大している。
コロナ禍で他のウイルスと接する機会が減り、免疫力が低下していることが原因という指摘もある。
小児科のかずえキッズクリニック(渋谷区)では、コロナ患者は週に1人程度だが、ヘルパンギーナの患者は10~15人ほど訪れる。川上一恵院長は「発熱では、コロナ以外の感染症も意識して診療している」と話す。
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