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〈パリ特派員の子育て通信〉 インフルエンザ!タミフルを探し求めて…

竹田佳彦  

パリ特派員の子育て通信

2017年9月からフランスに駐在する東京新聞パリ支局の竹田佳彦記者(40)が、現地の子育てについてつづります。随時掲載。

 ある金曜日の朝、普段は朝起きると私の寝室にやってくる娘が来ません。いつも「とーたん、まだ寝てるの?おはよーございまーす」と言いながら布団を引きはがしにくるのに。そういえば前夜、少し熱がありました。娘の寝室をのぞいておでこに手を当てると、まったく下がっていません。どうも風邪をひいたようです。

 普段通りに朝食は食べていますが、翌日から週末。幼稚園を休ませて、妻が病院に連れて行くことにしました。友だちがたくさんできて毎日楽しく過ごしている娘にとって、休むのは初めてのことです。

 日本語で診てもらえる病院は、自宅からバスで約1時間。検査結果は、インフルエンザでした。わりとシャキッとしていたので、お医者さんも驚いていたようです。妻によると、病院には小学生の子ども連れのお母さんたちが何人もいて「最近インフルが流行っているのよね」「7人も休んでいるクラスもあるの」と話していたのだとか。幼稚園では友だち同士で抱きついたり、仲が良ければほっぺたにキスをすることも珍しくありません。接触が多い分、流行しやすいのかもしれません。

インフルエンザの薬の処方箋

 もっとも、子ども病院をはじめフランス人がよく利用する街中の診療施設では、インフルエンザかどうかの検査をしてくれません。フランスに長く住む知人によると「風邪ですね」のひと言で済まされることも珍しくないそうです。朝、息子を幼稚園に連れて行った妻の友人は、体調不良で休んだ担任の代わりを園が手配できなかったため、「お子さんを連れて帰ってください」と言われていました。日本ではなかなか考えにくいことです。

 病院では、日本でもお馴染みのタミフルの処方箋を出されました。ところが、近所の薬局を回っても、売り切れなのかどこにも置いていません。なんとか買えたのは、4軒目の薬局でした。知人によると「インフルエンザかどうか診断されないから、処方箋も出ない。そもそも薬局にあまり置いていないんじゃない」とのことでした。

 ようやく手に入れた薬ですが、娘は一口飲んだだけで吐き出してしまいました。胃袋の中に入っていたものと一緒に…。きれい好きの本人は服を汚したことがショックだったらしく、それ以来まったく薬を飲まなくなってしまいました。「飲まないと友だちと遊べないよ」と言っても「ノン(いや)」のひと言だけ。その結果、翌日は熱がやや下がったものの、その次の日にはまた高熱に。結局1週間幼稚園を休むことになりました。

 インフルエンザでしばらく外出できなかった間に、少し嬉しい発見もありました。娘と自宅で一緒に過ごす時間が長くなった妻によると、世界地図をイラスト化した複雑なパズルを一人で完成させられるようになっていたとのこと。ジャガイモを使った団子を自分で丸めてつくることもできるようになっていたそうです。幼稚園で色々な体験をしたおかげでしょう。ありがたいことに食欲が衰えず、発熱のわりには元気だった娘。終日相手をしていた妻は、疲れ果てていました。

 娘がかかってから調べたところ、フランスの大都市では予防接種をする際、処方箋を持って薬局で薬剤を購入し、キャビネ・アンフィルミエールと呼ばれる所で打ってもらうことが多いようです。看護師事務所のような場所で、注射の他にもちょっとしたけがの処置や透析にも対応してくれるのだとか。病院はいつ行っても大混雑で予約を取るのもひと苦労です。キャビネがあることで混雑を分散し、医師も患者も負担を軽減する効果があるのでしょう。