保育園から悲鳴「マスクがない!」 横浜市の施設の96%、アンケートで判明

杉戸祐子 (2020年3月13日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、横浜市内の保育関係者らでつくる任意団体「横浜保育問題協議会」が行ったアンケートで、保育現場の感染予防用品の不足が深刻な状況にあることが分かった。特にマスクは回答したほぼ全ての園が不足を訴えた。横浜保育問題協議会は12日、市に対し、感染予防用品を各施設に供給するよう求める緊急要望書を提出した。

198園が「今すぐ不足」 消毒液も足りない 

 アンケートは横浜保育問題協議会が横浜市内の認可保育園と横浜保育室計約700園を対象に実施。5~10日に208園が回答した。マスクについて「今すぐ不足」が198園、「3月中は何とか足りる程度」が2園で、合わせて96%を占めた。理由は「売っていない」「発注すらできない」など。「現在は問題なし」「この先は不安」はそれぞれ4園だった。

 手指の消毒液も不足している。児童用は約7割の園が、調理用は約6割の園が「足りない」と答えた。手洗い用のハンドソープ、トイレットペーパー、ティッシュ、キッチンペーパーの不足を訴える声もあった。

「最低限の物資がなく、子どもの安全守れない」

 同会は「園内にウイルスを持ち込まないために最低限必要な物資も滞り、子どもたちの安全が保障できないと悲鳴が上がっている」と訴え、必要物資を行き渡らせることなどを求めた。

 記者会見した辻村久江会長は「子どもたちに決して感染させないよう、毎日必死な思いで努力している現場を市として支援してほしい」と訴えた。

保育士「園児も自分も守れない」 シフトなど工夫 ラッシュを回避

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マスクをして園庭で園児と向き合う保育士=横浜市戸塚区で

 「マスクや消毒液の不足は私たちの努力だけではどうにもならない。足りなければ園の子どもも自分の身も守れない」。乳幼児約六十人を預かる「小雀(こすずめ)みどり保育園」(横浜市戸塚区)の主任保育士三浦加奈子さん(45)は不安を語った。

 先週、マスクの残りが60枚を切り、アルコール消毒液やトイレットペーパー、ペーパータオルも在庫が少なくなった。普段は残りが減った時に業者に発注していたが、品薄で注文できない。「感染予防のため通常より使用量が増えているのに購入できず、頭を抱えた」。園を経営するNPO法人「みどり会」の本間正理事長(68)は語る。

 窮状を知った卒園児の保護者や近隣園からマスクや消毒液の提供があり、当面は乗り切れる見通しが立ったが、感染対策は続く。

 約30人の職員は感染リスクを下げるため、電車やバスを利用する際はラッシュ時間帯を避けて通勤。手薄になる時間帯は近くに住むスタッフが対応する。

 勤務シフトを組む三浦さん自身も3人の子どもがおり、休校により自宅で留守番している様子を気に掛けながら勤務している。
 本間理事長は「少しでも安心して預かれるように、国や市は現場の実情に寄り添った対応をしてほしい」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年3月13日

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