乳幼児にもコロナ休校の余波 東京23区の子育て支援施設が一部閉鎖 「閉じこもるのは親子にストレス」と切実な声

梅野光春 (2020年3月13日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルス対策で続く臨時休校の影響が、学齢期に満たない乳幼児にも広がっている。感染拡大の防止などを理由に、子育ての孤立化を防ぐ支援施設を休止する自治体があるためだ。幼い子どもを育てる親からは「家に閉じこもると、親子ともにストレスを感じる。開け続けてほしい」と切実な声も上がる。
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港区の子育てスペースで長女と過ごす吉野さん。「感染拡大も不安だが、ここに来るだけで息抜きになる」と話す=東京都港区で

閉鎖の大田区で1歳児の母「もう会えない子も…」

 「急な閉鎖だったから、友だちとバイバイさせてあげられなかった。感染予防だから仕方ないけど…」

 1歳2カ月の長男を連れて自宅近くの公園に来た会社員平山綾乃さん(41)=東京都大田区=は、さみしそうに話す。区の社会福祉施設にある子育てスペースは、政府の要請で臨時休校が始まった2日から使えなくなった。自宅から徒歩十数分程度で、ママ友の輪も広がっていた。4月には長男を保育園に預けて職場復帰するので、「もう会えない子もいるだろうな」と残念がる。

千代田・墨田なども閉鎖 港・世田谷はほぼ継続

 「子育て広場」などと呼ばれる支援施設は、厚生労働省の「地域子育て支援拠点事業」の対象だけでも全国に約7400カ所(2018年度)ある。おもちゃや絵本、赤ちゃん用ベッドなど、子連れで過ごすのに必要な物がそろう。育児の不安を抱え、家にこもりがちな親の相談に乗る職員も多い。

 学校ではないので、幼稚園や保育園と同様、政府が要請した臨時休校の対象ではない。しかし、大田区は約60カ所すべてを閉鎖した。「政府の休校要請が休止のきっかけになった。親子の居場所はなくしたくなかったが、ウイルスの感染拡大を防ぐにはやむを得ないと判断した」と同区担当者。千代田区、中央区、墨田区なども同様の措置を取った。

 一方、港区や世田谷区などでは一部の施設を除いて利用できる。港区の担当者は「施設は単なる遊び場ではない。育児ストレスに新型コロナウイルスに対する不安も加わる今こそ、子育て支援をしないと」と力を込める。絵本の読み聞かせなど人が集まるイベントは中止し、おもちゃの掃除の回数を増やすなど、感染予防に気を使う。

港区の乳児の母「他のママと話すだけで息抜きに」

 港区で自宅から徒歩10分弱の施設に生後11カ月の長女と訪れた会社員の吉野未紀さんは「ここで子育て中のママと話すだけで息抜きになる。他の子がいるから子どもの発達にもよさそう。感染拡大も不安だが、開いているとうれしい」と喜ぶ。

 厚労省子育て支援課の担当者は「子育ての孤立化を防ぐための施設だけに、現時点では国から一律に閉鎖するよう要請することはない。各自治体で幼児への感染が広がるなどの状況に応じて判断することになる。利用する保護者には、子どもの体調によりいっそう気を配ってほしい」と話している。

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