園児がアナフィラキシーショックや窒息を起こしたら? こども園と秦野市消防が合同訓練

西岡聖雄 (2023年8月12日付 東京新聞朝刊)
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のどに食べ物を詰まらせた園児に見立てた人形に心臓マッサージをする園職員(左後方)=秦野市で

 神奈川秦野市のひろはたこども園と市消防本部は、アナフィラキシーショックや食事中の窒息、お昼寝中の意識障害に対応した合同訓練を実施した。市消防と保育施設の訓練は初という。食べ物をのどに詰まらせる幼児の死亡・重症事故が全国的に問題化しており、通報や救急隊到着前の応急措置を実践的に確認した。

119番、エピペン注射、AED… 

 園児15人と園職員26人が参加。体調不良の園児役は、消防署員が担った。アナフィラキシーショックへの訓練は、食物アレルギーがある園児の保護者から事前に預かる自己注射薬エピペンを使用。園児役が給食で不調を訴えると、職員は119番やエピペンの注射、介抱、他の園児の誘導などを園のマニュアルに沿って進めた。

 園児がのどに食べ物を詰まらせたケースでは、背中をたたいても意識や呼吸が回復しない事態を想定。救急隊の到着まで、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)で対処する手順を学んだ。園によると、防犯や火災、避難訓練などを定期的に実施。AEDも備え、全職員が操作法や心肺蘇生法を習得している。

 参加した保育士尾崎真理子さん(36)は「救急隊は保護者が今、どこにいるのかを知りたがった。園児の病歴などのチェックリストはつくってあるが、訓練を受け、更新したい」と述べた。山本宏美園長(60)は「訓練で分かった課題などを他の保育施設に伝える」と話した。

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