「きょうだいで同じ保育所に」の川崎市パブコメに意見142件 歓迎のいっぽう、一人っ子や第1子には不安も
北條香子 (2023年8月31日付 東京新聞朝刊)
きょうだいが同じ保育所に通いやすいよう利用選考の基準を見直す川崎市の方針に対するパブリックコメント(意見公募)「保育所等の利用における多子世帯支援の拡充に向けた取組について(案)」に142件の意見が寄せられ、中には一人っ子や第1子が希望の園に入園しづらくなるといった懸念もあった。市が8月30日の川崎市議会文教委員会で、明らかにした。
利用基準の見直し 来年4月から適用
見直しは、保育所に通う子どもが複数いる世帯の負担軽減が目的で、来年4月の入所から適用。これに対し、「きょうだいがいる家庭が優先され、子ども1人だと入所しづらくなるのではないか」との心配が寄せられ、「親の社会復帰が阻まれる」「出産を控える家庭が出る可能性がある」との指摘もあった。
川崎市は3年連続で待機児童ゼロを達成しているとして「個別のニーズを丁寧に確認し、きめ細かな相談・支援をしていく」と不安払拭に努める考えを示した。
複数の子を育てる市民からは「(別の保育所だと)持ち物や役員の対応などが異なり、親の負担は大きい」「同じ保育所に入所しやすくなると当事者は大変助かる」と歓迎する声が寄せられた。
認可保育所などの利用申し込みは市が一括して受け付け、保育の必要度が高い家庭から優先して入所できるよう調整する。今回の見直しでは、きょうだいが同時に利用を希望する場合の指数を、入所の優先度が高い生活保護やひとり親の世帯と同等に引き上げる。
パブコメでは、第2子以降の保育料を安く算定する制度について、上の子が小学校に入ると対象外となる点の改善を求める意見が複数あった。
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