どちらが本当?待機児童数 今年4月の国の発表は640人、民間調査では「4万人が認可に入れず」

奥野斐 (2023年10月21日付 東京新聞朝刊)

調査結果を発表する「保育園を考える親の会」の普光院亜紀顧問(右)=20日、東京・霞が関の厚労省で

 民間団体「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)は20日、全国の政令市と南関東の計100市区を対象に調査し、認可保育施設の利用申請をしたのに入れなかった子どもが、今年4月時点で4万人に上ったと発表した。この100市区について、国が発表した4月時点の待機児童は640人。特定園の希望者や育児休業中などを除く国の集計に、改めて疑問符を付ける結果となった。

対象は政令市と南関東の計100市区

 保育園を考える親の会の調査によると、認可施設に新たに申し込み、入れた子どもの割合は、有効回答の91市区平均で80.8%と、昨年度(同81.2%)より低下。会顧問の普光院亜紀さんは「国の待機児童は減ったが、入園事情が厳しくなった自治体もあった。国は統計の仕方を正確にしていくべきではないか」と指摘した。

 保育士配置を巡っては、国の基準以上に配置できる補助などがあるのは92市区。ただ、自治体の財政力や考え方などでばらつきがあるという。会は「保育士の処遇改善、配置改善による負担軽減を進め、国の基準の底上げを」と訴えた。

不適切保育の相談窓口は17市区のみ

 昨年、静岡県裾野市の保育園などで虐待行為が相次いで発覚したことを受け、調査では不適切保育に関する相談窓口を設けているかも尋ねた。

 「不適切保育」と明記した窓口があり、インターネット検索で確認できたのは東京都板橋区や千葉市、横浜市など17市区にとどまり、窓口の設置やわかりやすい周知を求めた。

 調査は会が2001年から続けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2023年10月20日

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