見て感じてお腹いっぱい!お弁当がアートに 東京都美術館で

(2018年8月7日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

 食べる人に対する作り手の思いが詰まっていたり、一緒に食べることでつながりが深まったり-。日本独自の食文化「弁当」をコミュニケーションの視点でとらえた企画展「BENTO おべんとう展」が、東京・上野の東京都美術館(台東区)で開かれている。記者も毎日、高校生の息子に弁当を作る一人(今は夏休みだが)。8人の作家により、弁当がどんなアートになるのか。興味津々で見に行った。

中に入ると「おべんとうの精霊」と会えるマライエ・フォーゲルサングさんの《intangible bento》=写真はいずれも東京都台東区の都美術館で

精霊がご案内

 会場内のエスカレーターで階下に降りる途中、下のフロアに並ぶカラフルな「弁当箱」が目に飛び込んできた。オランダの「イーティング・デザイナー」、マライエ・フォーゲルサングさんの作品《intangible bento(インタンジブル ベントー)》だ。

 フロアに着き、布をかき分けて箱の中に入ると、中には小さな「おべんとうの精霊」がいた。音声ガイド「精霊フォン」で話を聞くことができる。ある精霊はコメの話を、別の精霊はプラスチックごみの話をしてくれた。弁当の持つ多様な側面に気づく。海藻などの匂いがする箱もあり、さまざまな感覚を刺激された。

弁当箱を開けるとショートムービーが映し出される森内康博さんの《Making of BENTO》

ふたを開けるとムービー

 弁当箱を開けるとショートムービーが流れだすのは映像作家、森内康博さんの《Making of BENTO》。中学生が自分の弁当を作る様子を、仲間の中学生が撮った。生徒がスーパーで材料を吟味する姿がほほ笑ましい。「ウインナーと俺」などユニークな題のフィクションもあり、なかなかの見応えだった。

子どもの絵と実際に作った弁当の写真が並ぶ小山田徹さんの《お父ちゃん弁当》

「子ぐまさん」(同作品から)

作品大盛り

 美術家、小山田(こやまだ)徹さんの《お父ちゃん弁当》は、幼稚園に通う娘や息子が描いた「おじさん犬」「こうごうせい(光合成)」などの指示書(絵)と、それらを基に作った弁当の写真。ずらりと並ぶ作品にまず圧倒され、親子の創造性にまた圧倒された。作る方も食べる方も楽しそう…朝の忙しい時間には無理かな…でも1回はチャレンジしてみたい…と思いつつ見た。

 ほかにも江戸時代の豪華な弁当箱や弁当を食べる人たちの写真、おかずを分け合うことからイメージした「おすそわけ横丁」など、多彩な作品がそろう。夏休みのお出かけにぴったりだし、9月からの弁当作りも楽しくなりそうだ。

 10月8日まで。入場料は大人800円、大学生・専門学校生400円など。高校生以下無料。問い合わせは、都美術館=電03(3823)6921=へ。「BENTO おべんとう展」の公式サイトはこちら

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2018年8月7日]

あなたへのおすすめ

PageTopへ