校舎内で放課後預かり「苦悩の末の決断」 新型コロナ対応、横浜市の運営者「子どもの感染リスク考えると…」

杉戸祐子 (2020年3月4日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、横浜市の市立学校全510校で3日、臨時休校が始まった。家庭で対応できない小学生の居場所として、学童保育のほか、各校に設置された「放課後キッズクラブ」なども放課後の時間帯に預かるが、ある運営者は苦悩の末の受け入れの決断だったと明かした。
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キッズルームで子どもたちと過ごす志村さん(右)=横浜市都筑区で

「預かった以上、安全で楽しい時間を」

 横浜市都筑区の北山田小の体育館前スペースでは3日午後、1~3年の児童7人が読書や工作をして、ゆっくりと過ごしていた。

 「預かった以上、安全で楽しい時間を過ごさせてあげたい」。同小などでキッズクラブを運営するNPO法人「オーシャンキッズ」副理事長の志村友規子さん(46)は温かい視線を注ぐ。

 しかし、今回の受け入れ判断を尋ねると「難しかった」と顔を曇らせる。

 市から感染対策を徹底した上で受け入れを求める通知があったのは先月28日夜。志村さんは「閉所したら困る保護者の顔が浮かび、受け皿になりたいと思ったが、無責任に開所できない」と悩み、市に「キッズ内で感染が発生した場合の責任は市が負うのか」とメールで問いただした。

マスクや消毒液は地域住民の協力で確保

 キッズクラブでは子どもたちが学年を超え、密に集まって過ごす。市から品薄状態のマスクや消毒液の提供がない中、感染対策の徹底は難しいと感じ、翌29日に「子どもたちのリスクを考えると、開所したくてもできない状況」と保護者に連絡した。

 今月2日朝になり、市から「国の要請に基づいた対応のため、万一感染症が発生した場合もキッズクラブの責任ではない」と回答があった。「感染症対策に従事する保護者ら預け先を必要とする家庭の一助になれば」と腹をくくった。

 保護者には利用を控えるよう協力を求め、マスクや消毒液は地域住民から協力を受けて確保した。「遠慮して負担を抱え込んでいる親がいないかも気をつけ、ニーズのある家庭を全力で支えたい」

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年3月4日

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