4児の父・東京ヴェルディ 大久保嘉人選手「今できることは絶対にあります」〈アスリートから君たちへ〉

上條憲也 (2020年5月14日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルスによる自粛や休校のため、自宅で過ごす子どもたちに第一線で活躍するアスリートがメッセージを贈ります。初回は4人の子を持つ良き父親としても有名なサッカー元日本代表・大久保嘉人選手(37)です。
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(東京ヴェルディ提供)

生活リズムのため朝は家族でラジオ体操

 皆さん、こんにちは。自粛の生活が続きますが、どのように過ごしていますか? うちは子どもの学校が休校する前と同じような生活リズムを心掛けており、朝、家族でラジオ体操に取り組んでいます。朝から動くと一日しっかり生活しようという気持ちになります。良い汗かいて、ご飯食べて、気持ちいいですね。

 トレーニングは子どもたちと一緒にやっています。1人で走るのがあまり好きではないので。子どもたちには「走れば体力がつくから、一緒に走るぞ」と誘っています。

 走った後は筋トレや体幹トレーニング、ボールを使ってキックの練習もしますが、子どもの性格が出ますね。すぐ脱落するのもいれば、中学3年の長男(碧人=あいと)は最後までついてきます。

先を見て、いろいろなことをやってみて

 自粛生活は楽しく過ごそうと心掛けています。子どもたちは毎日同じテンションで、うるさいときはうるさくて、それが毎日繰り返し。でも、一緒にいる時間が長い分、誰かしらと仲間になって遊ぶようになった気がします。

 みんな、学校に行けずにつらいと思いますが、今できることは絶対あります。先を見て、いろいろなことをやってもらえたらいい。勉強もそうかな。うちの子はあまり勉強しないのですが、最近はしっかりやっていて、特に次男(緑二=りょくじ)とか三男(橙利=とうり)は頑張っています。スマートフォンの「Siri」(音声認識)に分からない漢字を聞いたり(笑)。学校からプリントが送られてくるのですが、結構多くて、夏休みのような感じです。

気持ちの面で「負けるな」と伝えたい

 (7年前に)亡くなった父(克博さん)からは気持ちの面で「負けるな」と、よく言われていました。子どもたちにも、自分が言われたほどは言いませんが、伝えています。みんなも今、やれることをやればいいんじゃないかな。それがあとあと生きてくるので。Jリーグはいつ再開するか分からないし、どうなるのかは分かりませんが、どうにかして楽しみながらやろうと思います。再開したら得点するところを見せたいですね。

大久保嘉人(おおくぼ・よしと)

長崎・国見高3年時に高校総体、国体、高校選手権の3冠を経験。JリーグC大阪でプロデビュー。スペインやドイツリーグにも挑戦し、川崎ではJ史上初の3季連続得点王に。J1歴代最多185得点。今季J2東京Vに加入した。福岡県出身。37歳。3年前に四男紫由(しゆう)君が誕生、4児のパパ。

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