小さな絵本専門店「ニジノ絵本屋」スタッフが選ぶおすすめの10冊

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 東急東横線都立大学駅の近くにあるニジノ絵本屋(東京都・目黒区)では、絵本の販売だけでなく、絵本の制作と出版も手がけています。連載「絵本さんぽ」で紹介した同店のスタッフの皆さんに、自社レーベルや自身の活動と関わりの深い本や絵本を聞きました。

高橋奈央さんおすすめの本

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◇「ビーズのおともだち」(ニジノ絵本屋)作 おおにしわか 文 大川久乃 絵 のだかおり

 入院中の「わたし」は治療のたびにビーズをもらう。ある日、ビーズが妖精になって…。

 絵本の原案を描いたのは、12歳の女の子。4歳の時、小児がんを患い、入退院を繰り返していました。ニジノ絵本屋では小児病棟にいる子どもたちへ向けて、絵本作家さんとオンラインでワークショップも行っています。そこで代表のいしいが、この女の子、わかさんと出会いました。彼女には「絵本作家になりたい」という夢があり、自分で絵や文章を書いていました。

 治療をがんばるごとに、ご褒美としてきれいなビーズを一つずつもらえたという、わかさんの実体験から発想してできたお話です。登場する妖精たちも、名前から性格まで想いを込めて考えられています。個性豊かでとても可愛いんですよ。わかさんを中心に絵本チームを組んで、zoomなどで打ち合わせを重ねながら、1年かけて完成した絵本です。

◇「がんをデザインする」(ニジノ絵本屋)著 中島ナオ

 いしいの妹で、ニジノ絵本屋のロゴを作ったデザイナー中島ナオさんの著書。31歳でがんを患い、なりたい自分を思い描き、挑戦し続けた7年間の記録です。

 絵本「ビーズのおともだち」の売り上げの一部は、小児がん・小児難病の治療や研究へ寄付につながります。「がんをデザインする」の著者中島さんは2019年2月、がん治療研究の応援を目的とし立ち上げたNPO法人「deleteC」の創業理事です。

生島望さんおすすめの絵本

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◇「フルーツポンチ」「すきやき」「ハンバーガー」(ニジノ絵本屋)作 はらぺこめがね

 私がニジノ絵本屋と出会ったのは、現在の場所に引っ越してきた2017年のこと。絵本に興味はなかったのですが、はらぺこめがねさんの「すきやき」を見て、感動し、絵本と仲良くなれるような気がしました。

 バンド「ザ・ワースレス」では「すきやき」の歌も作りました。絵本に出てくる言葉のリズムも心地よくて、こんなに美味しそうな絵を描く人がいるんだとワクワクしました。

中田憲介さんおすすめの絵本

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「パンどろぼうとほっかほっカー」(KADOKAWA)「めがねこ」(手紙舎)「フライパンダ」(ポプラ社) いずれも作 柴田ケイコ

 柴田ケイコさんのデビュー作「めがねこ」。眼鏡ってとってもかっこいいと言うことがびしびし伝わってきます。この絵本のイベントで柴田さんと出会いました。

 そこからのご縁で「パンどろぼう」の主題歌、ミュージックビデオを作らせていただきました。僕にとって初めてのアニメーション制作で、デビュー作でした。「フライパンダ」は「ザ・ワースレス」ではじめて、マリオネットを作りました。こちらはCMも作らせてもらっています。

 中田さんはWEBデザインなども担当しており、deleteCのアンバサダーで読書家でも知られるメジャーリーガー菊池雄星選手のWEBページも作成しています。

いしいあやさんおすすめの本

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◇「おいしいまほうのたび あさごはんのたね」(ニジノ絵本屋)原案 アグリバトンプロジェクト 作・絵 小林由季

 「農業って楽しいよ」と言うことを、絵本を通して子どもたちに届けたいと現役の農家さんと一緒に作った絵本です。四季の畑を巡りながら、農業の魅力が届くようにみんなで考えました。絵本の主題歌もあり、手遊びをしながら楽しめます。

◇「ニジノ絵本屋さんの本」(西日本出版)文 いしいあや イラスト 小林由季

 1.5坪のお店から始まったニジノ絵本屋について書いています。みんなに助けてもらいながら前に前に進んで行った絵本屋の奮闘記です。イラストは絵本作家の小林由季さんが描いてくださっています。今年第2弾が刊行予定です。

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